【２６０】夢主side ページ20
今もこの世界の何処かで、これから迎えてしまうあの人の死を憂いているのだろうか。と、今しがた轟君と共に補講を受けに行く彼の背中を見詰めながら、なぁーちゃんの事を考えていた。
未来を変えてしまう事の恐ろしさを、私は誰よりも理解しているつもりだ。それが引き起こす数多の苦難と苦痛をこの身に受けても尚、私は立ち止まる事を出来ずにいる。
もし、なぁーちゃんがこの世界を消そうとしているのだとしても、あの人の……サー・ナイトアイの死をありのまま受け入れる事が出来るのだろうか。死ぬと分かっている人を、世界は違えど、見過ごす事が果たしてなぁーちゃんに出来るのか。
そんな分かり切った問いに、そんな事を思う資格など私には無いと自嘲しながら「……帰ってくれたら、良いのに」と、そのまま校外へと出る。
インターンで何かと忙しい相澤先生には不用意に出掛けるなと言われてしまったけれど、彼の補講と相澤先生の留守が重なるこの機を逃せば、元の世界に対して私が先手を打てるチャンスは来なくなってしまう。
そうなれば、私達は必然的に迎撃する事しか出来無くなる。現状、全寮制という事もあって籠城戦の様な状況下に置かれているけれど、なぁーちゃん達が実力行使に及べば、生徒を戦力に加えたとしても被害は甚大なものになる事は目に見えている。
私が雄英に居られる期間は二年と約半年。その間、そんな状態を続けていては、いずれ身動きが取れなくなってしまう。だからこそ、そうなる前に先手を打つ必要がある。
私がこうして単独行動に出れば、自然と向こうから何かしらのアクションを起こしてくる筈。そう思いながら人通りの多い場所を抜けて、閑静な住宅地を適当に歩き回る。
だけど、単に私が気配を追えないだけなのか、向こうが私の存在に気付いていないのか。一向に相手が姿を見せる事無く時間だけが過ぎていく。
見張られていると思っていたけれど、実際は野放しにされているのかも知れない。その考えに至った頃、不意にそう遠く無い場所から物騒な物音が耳に飛び込んで来た。
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パル(プロフ) - Pandaさん» 前回に引き続き、今回でもｺﾒﾝﾄ有難う御座います！度々更新が遅れてしまうかも知れませんが頑張って更新します！応援、本当に有難う御座います！感謝感謝です！ (2020年9月13日 12時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
Panda - 続編おめでとうございます！今後も応援してます!続きがめっっっっっちゃ楽しみです！！！ (2020年9月13日 11時) (レス) id: 0b60fa6ccb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2020年9月5日 23時
