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退院した翌日、仕事に復帰した私は情報特務課の皆に山田君と共に迷惑を掛けた事を謝罪し、あの時の出来事が動画サイトに生放送されていた事もあり、私と山田君が腹違いの兄妹である事を正式に明かしたのだ。
「俺は何となく気付いてたっすけどね」
「気付いてたって言うより、お前、俺達の事コソコソ個性使って調べてただろ！！知ってんだかんな！？」
「そういう山田補佐だって、俺の記憶覗いてたりするじゃないっすか」
「そりゃ…お前が無音の事嗅ぎ回ってたからだっつーの！」
遠山君とじゃれ合う山田君を余所に、まだ復帰を果たして居ない現場班の二人の席を見て、罪悪感が押し寄せて来る。
私のせいで大怪我を負わせてしまった。守らなくてはならない立場の筈が、部下を危険に晒してしまった。例え、二人が許してくれたとしても私は巻き込んでしまった自分を許せはしないだろう。
「それじゃあ、無音さんと山田さんにはいつもの倍仕事してもらいますからね！」
「ちょ、渚…？俺等、いつも倍はこなしてるよな…？その倍って…おまっ、鬼畜過ぎねぇ…？」
「僕達に心配掛けた罰です！」
「元からそのつもりだから安心して。今日中に溜まった分を片付ける。それが終わるまで山田君も帰れないと思ってね」
「マジか……まぁ、よし！！気張ってくか！！」
早速と言わんばかりに仕事に取り掛かる山田君に私も頑張らなければと仕事に取り組む。残業にならない様に次から次へといつも以上にペースを上げて仕事を片して行く。
すると、外線が掛かってきて受話器を手に取り「こちら情報特務課、無音です」と応答すると、受話器から聞こえてきた『A』と呼ぶ彼の声に思わず「君、私用だったら流石に怒るよ」と溜め息を付きたくなった。
『違うよ！！いや、君に用があるのは本当なんだけど…』
「仕事の話ならどうして君が直接掛けて来るの？」
『それは…その、社長から言われて……』
「はぁ…現場の状況は？」
『いや、事件とかじゃなくて…社長が特務課長である君と話がしたいって言ってるんだ』
大手ヒーロー事務所の社長が私に一体何の用があるのかは分からないが、個人では無く、私の役職で指名したならば仕事の話なのだろう。
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作者名：パル | 作成日時：2019年9月7日 15時
