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「凄いとか…要らないんだよ」
「何でだ？」
「…期待は僕には重た過ぎるものだから」
期待される事、羨望される事、望まれる事。それ等全て、僕という存在を殺すものでしかない。息苦しくて…自由が無い。
「…溺れそうな感覚になる」
真っ暗な海に手足を縛られた状態で突き落とされる様な、そんな感覚。藻掻きたくても、手脚は動かない。助けを呼びたくても言葉は声にならずに水の中、泡となって消えていく。
昔から感じる、その感覚が大嫌いだった。
「オアシス…どうすれば、自由になれると思う？」
「お前の自由ってなんだ？あの二人から解放される事か？」
改めて問われた事に、僕は自然と首を振っていた。きっと、二人が世間一般の幼馴染みになったとしても、僕の息苦しさは無くならないのだろう。
なら、僕にとっての自由とはなんだろう？
「…誰の目にも映らないで、誰からも期待されないで、誰の記憶にも残らなければ…それが自由なのかな」
「…寂しくねぇか？それ」
「少し…寂しいね」
不意に、昔三人で飼っていた子猫の事を思い出した。その子猫は怪我をしていて、だけど、僕達の家で飼う事は出来無くて、三人で作った秘密基地で拙い世話をしていた。
だけど、その子猫はとても弱っていたから、子供の僕達にはどうする事も出来無くて…結局、僕が餌をやりに行った時にはぐったりとして息を引き取っていた。
『…しんだの…？』
動かない子猫を撫でながら、込み上げてくる涙をそのままに僕は生き物の死をひたすら悲しんだ。
大人だったら子猫を救えていた。個性が上手く扱えていれば助けてあげられたのかも知れない。と何度も後悔を重ねながら、一人でお墓を作った。
出久と勝己には子猫が死んだ事は言っていない。伝えれば僕と同じ様に悲しむと思ったからだ。
今も、きっと何処かで生きている。二人はそう思っているのかも知れない。
知らなければ辛くない。分からなければ悲しむ事も無い。接する事が無ければ、情も移らない。
僕が求める自由は…そういう事なのかも知れない。
「…消えて、無くなりたい」
「っ…！？」
「なーんて、冗談だって。本気にしないでおくれよ？オアシス」
そう何でも無い様に茶化して笑う。何とも言えない顔をするオアシスに、僅かに息苦しさを覚えた。
可笑しいな…オアシスは僕の救いなのに。この息苦しさは何処から来るのだろう。
僕は気付かないフリをした。
ポツリと呟いてしまったその答えが、本心であった事を。
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パル(プロフ) - ルリさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!何年も前の作品に足を運んで下さり有難う御座います、引子さんの事ですが夢主がわざとそう呼んでるので、そういう仕様として楽しんで頂ければと思います！ (10月16日 19時) (
レス) id: 6636808e83 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ - インコさんって、引子（ひきこ）さんのことですかね？ (10月16日 19時) (レス) @page5 id: 8a08e38a58 (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - latteさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います！もう何年も前の作品で文章なども拙かったにも関わらずこうして感想を下さり、嬉しいやら恥ずかしいやらで思わず顔がにやけてしまいました。一番好きを頂けて今後の励みになりました！本当に有難う御座います！ (2021年11月23日 1時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
latte - めちゃくちゃ面白かったです！今まで読んだヒロアカ作品の中で1番好きです(*≧∀≦*) (2021年11月22日 22時) (レス) id: 3d84c2e74b (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - さやえんどう豆さん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!!あわわっ！そう言って頂けると本当に凄く励みになります！有難う御座います(T^T)今後ともよろしくお願いします！！ (2018年10月20日 15時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2017年12月4日 23時
