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勝己の謎の勝利宣言の後、僕は死んだ様に眠った。何も考えない様に、何もしない様に、ただ疲れた身体を癒す様にひたすら眠り続けた。
『…んで…テメェが…ってんだよ』
勝己の言葉とあの表情が、また勝己を傷付けたのだと知るには充分過ぎた。向けられた背中に僕は何も言う事が出来ずに、目を逸らす。
今、何を言っても勝己を傷付けるだけだ。今までだってそうだった。だけど、今回は今までの比にならないくらい、彼のプライドをズタズタに切り裂いたに違いない。
勝己と出久にとって、オールマイトは特別だ。二人がヒーローを目指す切っ掛けと指針。言わば憧れの塊だ。そんな相手をハンデがあったとは言え、勝ってしまった。
出久は兎も角、勝己は僕を負かそうと躍起になっている節があったから…更に越されたと思っているのだろう。
本当に…面倒な事この上無い。勝己の憧れも、対抗心も僕にはどうだって良い事なのに、勝己にとってはそうでは無いから思っていなくても傷付けてしまう。
あんな顔をさせたい訳じゃないのに、僕はいつも勝己にあんな顔をさせてしまう。謝罪なんて逆効果で、時間が解決してくれるのを祈るばかりだ。
ああ見えて繊細だから…こういう時、本当に困る。どうして良いのか分からなくなる。何もしない方が良いというのは分かってるけど…勝己が僕を心配する様に、僕だってそれなりに幼馴染みの事は心配になるんだ。
放課後になって、透ちゃんに起こされて初めて出久がまだ保健室から戻ってない事を知り、鬼の居ぬ間に帰ってやろうと荷物を纏めていると、腕を固定した出久が戻って来て白目を剥く。
「かっちゃんは？」
「…知らない。多分、先に帰ったと思うけど」
「何かあったの？」
「何で？」
「そういう顔してるよ？」
流石と言うか、何と言うか…観察力が優れてるのもあるんだろうけど、出久のこれは付き合いの長さからだろう。
「また夜にでも話すよ」
「うん。僕、ちょっとかっちゃん追い掛けてくる。待っててくれると嬉しいけど…」
「今日は大人しく待つよ」
「有難う、Aちゃん」
出久が教室から出て行くの見詰めながら、戦闘訓練の反省会を始めたクラスメート達の輪から少し離れた位置に居るオアシスの隣に行く。
「起きたのか」
「うん」
「お前、すげぇ奴だったんだな」
危うく俺も意識持ってかれそうだった。と口にするオアシスに僕は「その言い方、あんまり好きじゃないんだ」と寝袋を床に敷いて膝を折る様に座り込む。
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パル(プロフ) - ルリさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!何年も前の作品に足を運んで下さり有難う御座います、引子さんの事ですが夢主がわざとそう呼んでるので、そういう仕様として楽しんで頂ければと思います！ (10月16日 19時) (
レス) id: 6636808e83 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ - インコさんって、引子（ひきこ）さんのことですかね？ (10月16日 19時) (レス) @page5 id: 8a08e38a58 (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - latteさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います！もう何年も前の作品で文章なども拙かったにも関わらずこうして感想を下さり、嬉しいやら恥ずかしいやらで思わず顔がにやけてしまいました。一番好きを頂けて今後の励みになりました！本当に有難う御座います！ (2021年11月23日 1時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
latte - めちゃくちゃ面白かったです！今まで読んだヒロアカ作品の中で1番好きです(*≧∀≦*) (2021年11月22日 22時) (レス) id: 3d84c2e74b (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - さやえんどう豆さん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!!あわわっ！そう言って頂けると本当に凄く励みになります！有難う御座います(T^T)今後ともよろしくお願いします！！ (2018年10月20日 15時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2017年12月4日 23時
