１１ ページ14
グラウンドに着くと、ある程度のクラスメートと相澤先生が集まっており、僕は然りげ無く出久から離れて、勝己の視界に入らない様にオアシスの隣に避難する。そして、ゴソゴソと寝袋を広げながら「入学式が終わった起こして」とオアシスに告げると彼は「寝る気かよ」と既に寝袋に入って準備万端な僕を横目に見る。
止めないところが流石オアシスだと拍手を送りたい。これが幼馴染みの二人だったら無理矢理寝袋から引き摺り出した挙句、寝袋を取り上げるに違いない。鬼と魔王の名は伊達ではないのだ。
「入学式とかダルい…眠たい、僕は寝る」
「怒られても知らねーぞ」
「怒られたら起きる」
それまでは全力で睡眠に時間を費やしたいです。
何も言わなくなったオアシスに感謝しつつ、寝袋の快適さに夢へと誘われた僕はそのまま眠りにつく。だが、それも数分後には誰かに横腹辺りを足でつつかれ、薄らと目を開けざるを得なくなった。
「ん…ん…？？」
「入学式じゃねぇみてぇだぞ」
そんなオアシスの言葉が聞こえるが、オアシスの程良い低い声が僕の眠気に更に拍車を掛けてくる。目を覚ますどころか余計に微睡んでしまう。
再び下りてくる瞼に抗いもせずに寝ようとすれば、今度は「Aちゃんってば、ホントに寝ちゃってるし！」と透ちゃんの声が聞こえてきた。
「枕になっておくれ…」
「まだ言ってるし〜」
「…んむぅ…ん…眠い…」
「寝てただろ」
「まだ…ねむい…」
地味に透ちゃんに寝袋のチャックを開けられて、仕方無く起き上がると出久の「すんなり起きただと…！？」と言いたげな顔が目に入る。そんな出久に見せ付ける様に透ちゃんの乳枕に顔面を押し付けて「これは良いものだ…」と堪能すると、何処からか「オイラと場所変わってくれ…」と細い声が聞こえるが、誰にも乳枕は渡さない。
「もう〜仕方無いなぁ。これから個性把握テストするんだからAちゃんもシャキッと起きないと」
そう言いながら僕を立たせてくれた透ちゃんの言葉に「個性把握テスト…？何それ、めんどくさそう…」と思わず勝己を見ると、案の定勝己は僕に闘争心メラメラで…うん、絶対めんどくさいやつだ。
昔から勝己はテストやらランク付けやらで僕と競おうとしてくる。勝ち負けは正直どうでも良いのだが、個性が個性の為、大体勝ってしまうのでその後が面倒なのだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 911人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パル(プロフ) - ルリさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!何年も前の作品に足を運んで下さり有難う御座います、引子さんの事ですが夢主がわざとそう呼んでるので、そういう仕様として楽しんで頂ければと思います！ (10月16日 19時) (
レス) id: 6636808e83 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ - インコさんって、引子（ひきこ）さんのことですかね？ (10月16日 19時) (レス) @page5 id: 8a08e38a58 (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - latteさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います！もう何年も前の作品で文章なども拙かったにも関わらずこうして感想を下さり、嬉しいやら恥ずかしいやらで思わず顔がにやけてしまいました。一番好きを頂けて今後の励みになりました！本当に有難う御座います！ (2021年11月23日 1時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
latte - めちゃくちゃ面白かったです！今まで読んだヒロアカ作品の中で1番好きです(*≧∀≦*) (2021年11月22日 22時) (レス) id: 3d84c2e74b (このIDを非表示/違反報告)
パル(プロフ) - さやえんどう豆さん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!!あわわっ！そう言って頂けると本当に凄く励みになります！有難う御座います(T^T)今後ともよろしくお願いします！！ (2018年10月20日 15時) (レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：パル | 作成日時：2017年12月4日 23時
