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この際、目は捨てるしか無い。回復を待って集中を欠けば確実に勝己はそこを突いてくる。接近戦なんて以ての外だ。だったら…
「近付けさせなければ…どうとでもなる」
再び宙を薙ぎ払い、風を巻き起こしそれを何倍にも増幅する。そして生まれた竜巻を僕と勝己の間に展開させる。
下手に上空から近付けば竜巻に呑まれる。かと言って正面突破するには竜巻の威力が強過ぎて近付けない。竜巻を消すには時間と僕を倒す以外に術は無い。勝己の最大火力をぶつけたところで部分的に消されるかも知れないが…近付いて来た瞬間を見逃すつもりは無い。
「僕は…負けないｯ!!!まだ、勝己に勝ちを譲るつもりはねぇ！！！」
「譲るだァ！？ふざけんな！ぶん取るンだよ!!」
吠える勝己の声を聞きながら、髪を数本抜いて、それを増幅で槍サイズに太く長くし、強度を最大限まで増幅させる。
『髪の槍ィィィイイ！！？』
勝己が手を拱いている間に、それ等を地面に並べ、コンクリートで作った発射台の様なものへと装填する。
竜巻のせいで勝己の正確な位置は分からない。でも、狙うと言うよりも僕の目的は炙り出す事だ。それに竜巻は個性の発動を止めれば簡単に消える。
『能ある鷹は爪を隠すたァよく言ったもんだぜ…あの居眠り姫がなぁ…』
『何惚けてやがる。さっさと実況しろ』
そんな実況席の声を聞きながら、僕は両手を大きく広げる。そして、僕が何をしようとしているのかを察した相澤先生がマイクを通して『全員耳を塞げｯ!!!』と叫んだと同時に、両手を強く打った。
ﾊﾞｧｧｧｱｱﾝｯｯ!!!!
観客席から悲鳴が聞こえて、それでも僕は勝己が居る方向に向かって髪の槍を一斉に放つ。
その瞬間に竜巻を解除して、駆け出した。
「クッソがァ!!!!」
僅かに開ける事が出来た目で勝己を見ると、地面に膝を付き、耳から血を流しながらも髪の槍を避けて僕を睨み付け、個性をぶつける様に左手を翳していた。
「…終わりだよ、勝己」
眠らせない。しっかりその目に焼き付けてよ。全力をぶつけて、それでも尚届かない現実を、そして忘れないで。お前を負かした僕の存在を。
地面を蹴って上空へと飛び上がり、動けない勝己に向かって踵を振り上げ…
「サヨナラ……僕の大切な人」
殺してしまわない様に細心の注意を払い、振り下ろす。それと同時に僕へと放たれた特大火力の爆破を風圧で軽減するも、至る所に走る痛みに自然と笑みが零れた。
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パル(プロフ) - ウサギさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!良い文なんてとんでもないです！1日で読んで下さったんですかΣ(・ω・ﾉ)ﾉ有難う御座います!!(><)これからもﾀﾞﾗﾀﾞﾗとした進行度ではありますが、どうぞよろしくお願いします!! (2018年6月1日 11時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
ウサギ - 良い文ありがとうございます。 今日発見したが、すごくおもしろくて一日で全部読んでしまいました。 これからも頑張ってください。 (2018年6月1日 11時) (レス) id: 7b63bf87a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2018年5月22日 20時
