はじめてをちょうだい snm RM

パニック ページ18

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奈良からママとタイへ帰った


康ちゃんは秋に行われる文化祭の準備があって


タイへは帰らずに東京へもどった


おばあちゃんは康ちゃんが来ない事をすごく


残念がってたけど康ちゃんはおばあちゃんに


マメにビデオ通話をかけているらしく


康ちゃんの様子はよく知っていた


祖母「康二から聞いてるけど、彼氏ができたって

本当なの？」


母「そうなのよ！ものすごくイケメンなコよ」


「ちょっと、ママ！」


祖母「そうかい、次帰ってくる時は紹介しておくれ？」


「うん…機会があったら、ね」



久しぶりにタイで過ごす日々


時間の流れ方がのんびりしてて帰ってきたなぁと実感


するけど一週間も過ぎるとなんだか物足りなさを感じる



星空を眺めると目黒くんを思い出す


今頃目黒くんも星みてるかな…



そんなこと思ってたらかかってきた目黒くんからの電話


テレパシー？


「もしもし」



「もしもし…もう寝てた？」


「ううん、まだ寝てないよ、今星見てた」


「ほんと？俺も今見てた…」


やっぱりテレパシー？


「同じ空みてたね」


「…うん、同じ星見てたね」


目黒くんの声を聞いたら物凄く会いたくなった

まだ離れて10日しか経っていないのに


「こっち戻ってくるの来週だっけ？」


「うん、そのつもりだったけど、予定早めて帰ろうかな」


「え！そうなの」目黒くんの声が明らかに嬉しそうに

弾んだ


なんとなく口から出た言葉だったけど、言ってしまうと


より会いたいと思う気持ちが高まった



翌朝ママとおばあちゃんに話すと


残念そうにしながらも日本へ戻る事を許してくれた


帰る便の変更ができて、目黒くんに連絡すると


迎えに行くと言ってくれたけど

到着時刻がちょうどバイト時間らしくて

終わったらウチに来る約束をした



重いスーツケースをガラガラ引きずって帰ってきた

けど足取りはなんだか軽いのは

この後目黒くんに会えるからかな…


家の明かりは付いてないから、康ちゃんは留守のよう


ガチャガチャと鍵を開け、中に入ると…




「え、え、や…うわ」って康ちゃんの聞いた事無いような


慌てた声…康ちゃんいるんじゃん…


ロールスクリーンの向こうで明らかに慌てる康ちゃんに


はっとして足元みると、ヒールのサンダル


流石にこの状況がどんな場面か気づいて


「ごめん！！」びっくりして半ばパニックで


家を飛び出した

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