検索窓
今日:10 hit、昨日:3 hit、合計:64,425 hit

(2) ページ40

柿原「姫って本当に我慢強い子だよね」

『子役時代、お世話になった方から演技以外で仕事中は泣くな。泣いたら干されるぞ!って言われたんです。ほら、涙は女の武器ですし』

そう言って、村中は笑う。その笑顔がどことなく無理しているように見えて、

柿原「今日のことはあんま気にするな。姫の演技良かったし。だから……」

「だから、姫は今のままで大丈夫」そう言おうとしたところを、村中に遮られる。

『柿原さん!それは駄目です』

村中は褒められると駄目になる、と言われている。だけど、たまにはいいだろう。ここには俺と村中しかいない。誰かに見られる心配もない。

柿原「誰も見てないよ。大丈夫」

『そうじゃなくて……』

そこで村中は突然、ポタポタと涙を落とした。

柿原「え?!俺なんか変なこと言った?」

このタイミングで泣かれると思っていなかったので、慌ててしまう。村中はなぜか『違います違います』とだけ繰り返す。それから

『今日はちょっと心が弱ってたみたいです。なんか嬉しくて。すいません』

と途切れ途切れに話すと、涙で濡れた顔を上げた。その顔は……どう表現したらいいか……とにかくすごく嬉しそうに笑っていた。その姿を見て、「村中は叩かれて伸びる」ということは本当なのだろうかと疑問に思った。
遠回りをしてから村中を家まで送り届けたあと、俺はある人物に電話をかける。

柿原「お疲れー」

木村「かっきー?お疲れー。どした?」

柿原「あのさ、村中が叩かれて伸びるって話さ。あれ、本当なの?」

学祭の話 #木村side→←ドライブの話 #柿原side



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (68 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
266人がお気に入り
設定タグ:男性声優 , 愛され   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ちとせまる | 作成日時:2019年12月20日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。