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買ってきた白飯を休憩スペースのテーブルに置いた村中さんは、電子レンジの前でスプーンを握りしめソワソワしている。電子音が鳴った途端にレンジの扉を開けると、ニヤニヤしながら戻ってきた。
『いただきますっ』
漫画で言うところの「はむっ」と音が出そうな動きで、村中さんは俺の作ったカレーを頬張る。『んふ』と言葉なのか音なのかよくわからない声を出して、二口目を口に入れる。
安元「どう?」
『おいしいです!お肉ゴロゴロたまらないです!』
俺の言葉に返事する時間も勿体ないという感じで早口で答えた村中さんは、パクパクとカレーを口に運ぶ。少し多目に用意したはずのそれは、あっと言う間に村中さんの胃袋に収まった。
『ご馳走さまでした!』
それから目をキラキラさせて
『安元さんがお料理上手って話はお伺いしてたので、こうして食べさせていただけて嬉しいです。本当美味しかったです』
と俺に言った。そして、『タッパーすぐ洗って返しますね』と席を立つ。その背中に
安元「村中さん、気持ちよく食べるから作った甲斐あるわ」
と言うと、村中さんは振り返り
『安元さんのご飯が美味しいからですよ』
と笑う。その笑顔を見て、来週も何か作ってくるかな、と思った。
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作者名:ちとせまる | 作成日時:2019年12月20日 17時