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西山「すいませーん、遅れましたぁ」
そこへ宏太朗が現れる。
江口「ん、お疲れ」
西山「さっき村中さんいたんですけど!」
この反応ということは宏太朗も知らなかったということか。
江口「うん、俺らもびっくりした」
そんな話をしていると、ビールジョッキ3つ持ったにゃかちゃんが現れた。
『お待たせしました!生3つと、こちらサービスの唐揚げです』
斉藤「え?ごめん、ありがとう」
にゃかちゃんは照れたように笑う。
『今日、あまり忙しくなくて、もう上がっていいって言われたんですけど・・・』
江口「いいよ」
にゃかちゃんが最後まで言い終わる前に答えた。にゃかちゃんは『賄いできたらお邪魔します』と嬉しそうな顔で出て行く。
西山「村中さん、可愛いですよね」
その言葉に俺と壮馬が宏太朗を睨みつけた。
***
コンコンと個室の戸がノックされたかと思うと、賄いと思われる料理と水のグラスを持ったにゃかちゃんがいい笑顔で現れた。
『失礼しまぁす』
江口「あれ?お酒じゃないの?」
思わず聞くと、『賄いですから』とにゃかちゃんは苦笑いする。
自分にも経験がある。新人時代は声優の仕事だけではもちろん食べてなんかいけない。賄い付きの飲食のバイトと先輩の奢りで食い繋ぐなんてよくある話だ。その賄いに文句など言える訳がない。となると、
江口「いいよ。奢るから飲みな」
こういうことだ。
『ありがとうございます!』
にゃかちゃんの目が輝いた。この子は食べることも飲むことも大好きなはずだ。にゃかちゃんは嬉しそうに出ていき、ハイボールのジョッキを抱えて戻ってきた。壮馬や宏太朗と乾杯したあと、あれこれと残っていた料理を勧められている。それを全部美味しそうに平らげると、『追加でこれ頼んでいいですか?』と言い出し、2人から「まだ食べるの?!」とびっくりされていた。
マネージャーの話 #沢木(マネージャー)side→←バイトの話 #江口side
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作者名:ちとせまる | 作成日時:2019年12月20日 17時