第九十九話 白髪の美少年 ページ12
No SIDE
『…(誰だ…？)』
そこに立っていたのは
顔の整った、白髪の少年だった
年齢は恐らくAより少し年上
デントと同い年くらいに見えた
「…イッシュでは珍しいポケモンばかりだね」
少年はじっとAのポケモンたちを
見渡すように一体ずつ見ていく
そしてあるポケモンに目が止まった
「これは驚いた…
まさかバドレックスとブリザポスを
連れているトレーナーに会えるとは…」
『！…(バドレックスたちを知ってる…？！)』
Aは外に珍しく出していた
2体のポケモン…
馬の容姿をしたブリザポス
頭が大きくどこか風格のあるバドレックス
その2体を知っている少年に対して驚いた
それもそのはず
バドレックスたちはガラル地方の
冠雪原のみに伝わる伝説のポケモンだったからだ
『みんな戻って』
少年を警戒して
ポケモンを全てモンスターボールに戻し
少年の方を見る
しかし、そんな警戒心とは反対に
少年はクスクスと
面白いものを見たかのように笑い始めた
でもそれは悪意のない、少し大人びた笑い方だった
その様子にAは拍子抜けしていると
少年は首を横に振った
「すまない！驚かせてしまったね
別に僕はポケモンハンターでも
ロケット団のような悪い連中でもないよ
ただの旅する美少年さ」
いつもなら
自分で言うかと突っ込みたくなるAだったが
彼の言葉に偽りはなく、
本当に綺麗な顔をしていたため
全く突っ込みたくはならなかった
寧ろ納得していた
カメリア「僕はカメリア、君は？」
『…A』
カメリア「Aか、可愛らしい名前だ
僕、君に興味があるな…少しお話しないか？」
顔を近づけ優しく笑うカメリアに
Aは思わず目を背けながらも頷いた
するとカメリアはありがとうと返し
靴と靴下を脱ぎ裾をまくると
Aの隣に座り湖に素足をつける
隣に座るカメリアをよく見ると
手足は長く、ストレートの綺麗な髪
そして長いまつげに大きく綺麗な瞳
まるでモデルのような容姿だった
いや実際モデルの経験はあるのかもしれない
これだけ容姿が良ければスカウトも絶えないだろう
そんな事を一人モンモンと考えていると
ふと彼と目があってしまった
カメリア「…見惚れてた？」
『すっごい自信…
まぁ確かに整った顔してるし…
スタイルも私より良いけど…』
と、包み隠さず言うと
彼はまたクスクスと笑った
『(…掴めない奴だ)』
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作者名：ラム酒 | 作成日時：2022年9月26日 3時
