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身代わり21 ページ22
夜ご飯の仕込みも終えて
やることもなくなっちゃったから掃除でもしようかなとおもって
道具を持ってきたはいいけれど。
各部屋から聞こえてきてしまうのは
やはりわたしの悪口なんかで。
「買い出しにも行けないんだろ?
なにも女中として置いておく意味があるのかねぇ」
たしかにな
とか
牢獄に入れてもよくないか
とか
同意の意見は多数なのに
わたしをかばう意見はなかったと
思ったのに。
「てめーら見てねーだろーが
あいつ、俺たち全員のために公衆の前で
土下座したんだぞ
そこまでやる女中なんざ他にはいねーと
俺は思うんだがな」
不意打ちの言葉に
思わずなにかが込み上げて
わたしは前が霞んでしまって
その場を離れた
初めて芽生えた、
わたしの気持ちに気づかぬまま。
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作者名:マスカラ | 作成日時:2015年2月4日 22時