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身代わり20 ページ21
スーパーにいきたかったけど、
結局危ないってことで帰されちゃって
申し訳ないことに買い出しはわたしの仕事じゃなくなった
屯所について傷の手当をしてもらう
「てめーも女ならツラ狙われたら手でかばうとかなぁ
なんかしろってんだよ
傷跡、消えなかったらどーすんだ」
ぶっきらぼうに言う副長さん
こんなわたしのことを心配してくれるのか
…普通の女とおなじように。
ひさびさすぎる他人の心配にたじろぐけれど
それはやっぱり嬉しいもので
ここにきてから、嬉しく思うことも増えた。
「傷なんてきにしませんよ
そもそもわたしは豊臣の末裔ってことで
傷があろうがなかろうが
わたしをめとろうなんて人、そういるもんじゃないですよ」
でも。
傷薬、毎日塗っとけと
背中で語るあなたの真意は
きっとこれでしょう
惚れた女と同じ顔に
傷をつけたくない
そういうことなんでしょう
なんで
わたしはそれに気づいてかなしくなるのか
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作者名：マスカラ | 作成日時：2015年2月4日 22時
