【wrwrd!】総統の女

よくみろ、 ページ48

書類をまとめ終わる。また１年が過ぎて俺はグルちゃんの一つした、Aちゃんの一つ上の立場になった。
そして、同じ部署になった。

別に俺の仕事が悪い訳では無い、グルちゃんの仕事がやたらと速すぎるだけだ。
同期でも俺だって昇進ペースは早いほうなのに、それでも勝てないグルちゃんを尊敬しているのも確かだ。

そして、そんな俺にもまた部下ができた。
まぁ、顔としてはそこそこの男だ。

Aちゃんで反省した事を生かして指導をするのも悪くないと最近思い始めたところだ。

この前、そいつと残業をしていた時のことだ。
俺達しかいなくて、そいつの会社での印象を適当に聞き流していたとき、面白い事は起きた。

「鬱さん、ひとつ聞きたいんですけど」

ええよ、なんて打ち込みながら答えると若々しい顔の彼ははずかしそうに切り出す。
恋愛相談？ごめんやぞ、なんて珈琲を口に含む。

「Aさん。すごいお綺麗ですよね」

吐き出しそうになった。

「おま...Aちゃんかぁ！」

けたけた笑い出す俺に不満げな顔をするあたり若いな。俺もそんなエネルギッシュな頃に戻りたいわ。

「お目が高い！っていいたいとこなんやけどなぁ、お前、ちょーっと遅かったな」

首をかしげるそいつに、僕もそんな頃あったわと前置いて助言をしてやろう。

「あした、よーくAちゃんのこと見とき」

はぁ、と頷く新人くんにはキツイかもしれんが、事実を見せてやらんと可哀想やろ。

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