【wrwrd!】総統の女

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人が、くる。

ふと思い出した事実に、見られたら困る！なんて自分勝手な考えを元に撫でるのを止め、手を離そうとすると、と、え、こまる。

力強く握られ過ぎて手が離せない、いやいやいや、ちょっと。

「グルさん、グルさん、手ぇ離してください」
「いやだ、といったらどうする？」
「困ります！」
「今日くらい傍に居れ」

この人実は酔ってないんじゃないんですかね！それかひっどい悪酔いでもしてんですかね！
顔は伏せたままなのに、紡ぐ言葉はいつも通りかそれよりも積極的なくらいで！
どろりと、嫌な感情が溢れ出すのは必然で。

「グルッペンさん、私貴方の彼女さんじゃないんですよ」

無駄にどきどきしちゃうから、やめてくださいね。
声の音が聞こえたかはわからない。
それでも言わずにはいられない。

わたしは、この状況に無心でいられるような女には_____

「失礼、彼が迷惑を......掛けているな」

ガチャリと音を立てて入ってきたその人は、眼鏡を押し上げてため息を着いた。

驚いて声も出ない。

「すまないね、君がAさんですね？」
「ぁ、はい、Aと申します」
「私はエーミールです、さて、回収しますね、ありがとうございました」

呆然とする私の目の前で、さらりと私からグルッペンさんの手を解き、肩を担いていく。

あまりにも洗練されすぎた動きと、離れた温もりに考えが、纏まらない。

立ち去り際にエーミールさんは微笑んだ。

「今日はお疲れ様でした。
何かありましたら私の方まで...例えば、の話ですが、恋のお悩みでもお聞きますよ。

それでは、よい休日を」

パタリとしまった扉を前に、何も考えられず立ち竦む私。

エーミールさんに、相談してみようかなぁ、なんて事を最初に思った。
彼、どこの部署にいるんだ。


___
ベロベロに酔ったグルッペン。
ベロベロに酔ってるんだよだって素面じゃ進んでいない関係性で手を握る訳にはいかないみたいな理性が働いてそうじゃんそんなグルッペンがすき！を詰めました、如何でしたでしょうか。私は大満足しました。
ハルさんリクエストありがとうございました。

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