【wrwrd!】総統の女

リク*人間の屑の部下 ページ18

「え、グルッペンさんって甘党なんですか！」
「し、静かに！

そーなんよ、あの人かなりの甘党で、よー見てたら分かるけどかなりの確率で甘いもん食べとるから」
「ひえぇ...これがギャップ萌えって奴ですか？グルッペンさんって何処を目指してるんでしょ...」
「俺も知りたいわ、それにあの人なぁ？」

そこまで語らせる気は無い。

「なにを、している」

大先生の頭を掴むと、死ぬほど情けない声が上がった。伝統芸能気持ち悪い。

「わ、グルッペンさん...」

俺を見て露骨に顔を顰めるのはやめて欲しい、会話の内容的にしょうがないとはいえ普通に傷つく。
新しく配属になった人間に嫌われて平然としていられる程、俺は血が流れていない訳ではない。

「なにか、文句でも？」
「ええと、大先生をあまり虐めないで欲しいなー、って、思うの、ですが」

しどろもどろと言葉を紡ぐこいつは確か、前に質問に来た、ええと、名は。

「元はといえば私が大先生に話を振ってしまいましたから」
「Aちゃん〜！優しいなぁ！やっぱ君が最高の部下やで〜！」

そう、Aだ、今年入った新卒で大先生初の部下。

「で、俺に何か用でもあったのか？
...大先生が俺の甘党を言いふらす程に」

別に甘党とばれて何か悪い事が起きる訳では無いだろう。
ただ、大先生がよく知らんこいつに俺の事をペラペラと喋っているのが気になった。
いつもモテるのは大先生、俺やオスマンは割を食っていたと思うが。

「昨日、グルッペンさんには大変お世話になりましたので、菓子折りを、と思いまして、好みを聞いたところこんな感じに、です」

えへへ、と照れ笑う姿に、心が何処かで動いた。
年下にこんな事言われるとは。
普通に可愛いし嬉しい、困ったな。
恋愛感情とかではない、真っ直ぐに向けられた親愛の感情がやけに刺さった。

「そうか、なら大先生の世話でもしてくれ、こいつの方が危なっかしいところがあって怖い。
質問ならいつでも来ていい」

うわ、グルちゃんめちゃめちゃ照れとんで、と後ろから大先生が引いたような声を出しているが気にしない。
大先生なんかに持たれた新人が可哀想、それだけだ。

それだけの価値のある、新人なだけだ。


____
甘党だとバレる総統の話。
リクエストに添えた気がしないのでお菓子を作る方も書かせてください！なんでもしますから！
ぱちさんありがとうございました！

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