幻想譚〜それぞれの物語〜

黒甲冑 ページ9

ぐ…ここは一体…

私は確か…弟の覚悟を見届け、彼らに全てを託し、去った。
ここは彼らが平和にしたあの世界なのだろうか…

見たところ山のようだな。
身体の節々が痛む。そうか…確かあそこから落ちたのだったな。

一段低い崖のようなところだ。

まずは上に上がるか？
飛び上がろうとした途端、
椛「どちら様でしょうか？どうやってこの山に？」

犬の耳と尻尾の生えた
椛「私は犬じゃないです！」
…剣士、ということにしておく。既に抜刀しているが、私に争う気はない。

?「そなた、ここはどこなのだ？」
椛「また外来人…」
また？

椛「ここは幻想郷という世界の妖怪の山というところです。勝手にこの山には入れないんですよ」
さっきは何人か入ったけど、と独り言を言う犬。
椛「誤解のないように。私は犬走椛。白狼天狗です。は・く・ろ・う」
?「天狗…？」

興味が尽きないところだが、落ち着いて話のできる場所はないだろうか。

椛「この少し上に、守谷神社というところがあります。そこに行きましょう」
?「すまぬな、面倒をかける」

そうして私は椛に連れられ、守谷神社に向かった。思わぬ再開があるとは露ほども知らずに…

椛「ところで貴方、名前は覚えてますか？」
?「私は、私の名前は…」

ゴルベーザ「…ゴルベーザ。」

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