第23話 今まで ページ24
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少し重い足取りで屋上へ向かう。
今にも潰れてしまいそうな心臓に、私は拳を握りしめた。
「────…今まで、ありがとう」
・
重い扉を開けると、屋上から広い校庭を眺める徹の背中が目に入った。扉を閉める音に徹が振り返る。
「A、来てくれてありがとう」
「…ううん」
そんな単調な会話を交わし、私達の間に沈黙が流れる。私は徹の顔が見れずに、少し俯いたまま次の言葉を待った。
「…………A。」
静かに名前を呼ばれ、肩がほんの少しだけ揺れた。覚悟を決めて顔を上げると、予想とは裏腹に優しく微笑む徹の顔。
「俺達、もう別れたんだよね？」
「あ…うん…」
ズキリと胸が痛む言葉。
「……わかった。Aのこと泣かせてごめんね。大事にするって言ったのに…」
「………っ…」
徹に告白されたあの時の記憶が、私の頭を駆け巡る。…もう少し、後ちょっとだけ。
徹が私に『さよなら』を言うまで、どうか泣かないで。
「───…今までありがとね。A」
「……こちらこそ」
・
────終わった。
もうこれで、私達の関係は終わり。
もうかなり長いこと一緒にいた気がする。勝手に頭に浮かぶ今までの徹との思い出。
やっぱり目が熱くなってきて、すぐにでもその場から立ち去ろうと、私は徹に背を向けた。
「待って！まだ終わってない！」
「─────え？ 」
いきなり徹に手を掴まれ、私は驚いて振り返る。目の前には徹の真剣な表情。
「さよならする前に聞いてほしい！」
背筋に寒気が走った。
もし”後輩と付き合うから”なんて言われたら、それこそ涙を我慢できそうにない。
「…っ…ごめん！メールにして…っ！」
徹の手を振りほどこうとするが、力が強くて外れない。
「……徹っ、はなし 」
「俺、Aのことが好き！」
・
・
「………………え？」
「例えAが俺のこと大っ嫌いでも、俺はAのことが…っ」
ちょっ、ちょっと待って。
「───_…Aのことが大好き！」
……なんで私は今、
徹に告白されてるの…？
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白鈴(プロフ) - 利人さん» 及川〜(笑) ありがとうございます 嬉しいです(o^^o)これからもがんばります！！ (2017年3月24日 1時) (
レス) id: 63f0029977 (このIDを非表示/違反報告)
利人 - あれ…及川………カッコいい… すごく感動しました!これからも頑張ってください! (2017年2月17日 18時) (レス) id: e5d1b4c8ae (このIDを非表示/違反報告)
白鈴(プロフ) - 小悪魔たんさん» わ〜ほんとですか（ ; ; ）そう言っていただけて光栄です！とても嬉しいコメント感激してます！こちらこそ、読んでくださりありがとうございました！！ (2017年2月6日 22時) (レス) id: 63f0029977 (このIDを非表示/違反報告)
小悪魔たん(プロフ) - なんか、もう！超超超よかったです！！私、こんなに目が離せなくなったの初めてです！もう読んでてドキドキしました！こんな風にコメント書いたのも初めてです！こんなにいい小説をありがとうございました！！！！ (2017年2月4日 15時) (レス) id: 5c5226b33f (このIDを非表示/違反報告)
白鈴(プロフ) - pipiさん» 返信遅れてしまい申し訳ありません！とても嬉しいコメントに、この小説をかいて良かったなと思いました（ ; ; ）テッシュ郵送するので住所教えてください(こわい) 読んでくださりありがとうございました！ (2016年12月7日 20時) (レス) id: 63f0029977 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白鈴 | 作成日時：2015年5月10日 21時
