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「綺麗な色だね」

そう言った青年は私の瞳を見ながら囁く


『私、は…』


宝石の女なんかじゃない。
何人もの男に抱かれては汚れている
大切なものなど何もない、ただ空っぽになった人形と同じ



その青年は私の目線に合わせてしゃがみこむ



「俺は神威。春雨第7師団団長やってるんだ」


あぁ、私より若そうなこの子が春雨の_____



血が飛んじゃったね、なんて言う神威は、宝石を大事に扱うかの様にAの頬に手を置く



「俺は殺さないよ、お前を。同じ夜兎の血が流れてるんだ」



強い子を産むかもしれない

と一言足す神威



.



『ど、して…』


強く射抜かれるように見つめられる目の前の青年から目を逸らせずに見つめ返していた



どうして私がその血を持っていることを知っているのだろうか

どうして神威はここにいるのだろうか

どうして簡単にそこに転がった男を死体にしたくせに
どうして私は殺してくれないのか


色々な事が頭を過ぎるも、神威はまた口を開く



「お前、名前は?」



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作者名:キマイ | 作成日時:2023年3月19日 23時

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