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もう疲れた___
このままここで楽に_____
逃げる事を諦めたAの体は脱力したように座ったまま
『(お母さん、お父さん…今いくから)』
Aは男の方を見ながら静かに目を閉じた
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「俺のものになっていたら良かったものを…!」
執着なのか独占なのか、どの欲に掻きたてられたか知りもしないこの男に殺されるんだ
男は勢いよくAに目掛けてナイフを振り下ろした
ぎゅっと目をつむった時_____
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ブシャアァアアアッ_____と千切れた様な音がした
それと同時に顔に水滴の様なものが飛んできた感覚さえした
『(痛く、ない…)』
急に静かになったと恐る恐る目を開けてみる
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『…え、』
目の前には、私を殺そうとしていた男が血まみれになって倒れている
その男の元にもう一人の姿があった
「やぁ、君が宝石の女?」
手には、死体になったであろう男の血を付けてニコニコと笑っているピンク頭の青年
どうやって殺したのかもわからない
『………して、』
怖いと言う感情が湧き出てこない
やっと楽になれると思ったのに____
『ころ、して……っ』
初めて会った青年の目は笑ってはおらず、口元だけが上がっている
「質問の答えになってないなぁ」
そう言いながら青年は私に近づいた
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作者名:キマイ | 作成日時:2023年3月19日 23時