アネモア【神威】 (ページ34)

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早く見てこいと強引にAの店に向かわされる阿伏兎

「なーんで俺が…」

この街のど真ん中を堂々と歩くのは気が引けるため裏道からスタスタと歩いていく

ため息をつきながら頭をガシガシと手を追わせて誰にも気付かれないようにと通る

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「ここがあの嬢ちゃんの店か」

店の近くまで来たが、何やら小さな騒ぎが起こっていた

陰から見れば「居ない」「探して」などと聞こえてはおおはしゃぎの女達

聞き耳を立てれば衝撃な言葉が聞こえてくる

「Aがいないんだよ！」

「でも確かに客間に行ったのを見たわ」

「誰かAを見ていないかい！？」

その声を聞いた阿伏兎は眉を顰めて「遅かったか」と呟く

その瞬間、腰に掛けていたトランシーバーから声が鳴った

「阿伏兎、まだ？」

その声は神威のもので、阿伏兎は
こりゃ団長が止まらねえ。と一汗垂らす

「残念だが団長、嬢ちゃんまでいかれちったァ」

その言葉を言ったすぐ、急に神威の声は聞こえなくなり
トランシーバーが途絶えた

「団長？オイ、団長！」

これはヤバい。と、急いでその場を離れてはアジトであろう目的地に向かった阿伏兎

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