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店に戻り自室に向かう最中に店主とすれ違う


「おかえり。外への息抜きはどうだったい」

『とても楽しかったです』

「良かった良かった」


そう言えば、と話を続けた店主


「最近物騒な事が起こってるみたいでねぇ」

『…物騒なこと?』


「この街の遊女達が姿を消しているみたいなんだよ。ほら、店の前のあの子居たろ?」

名前は確か、と考えるようにまた話を続ける店主


「あの子も一昨日から居なくなったみたいでね、アンタも気をつけておくれよ」


店は厳重に、あまり頻繁な外出は控えるように。と


『はい、』



一体何が起こっているのだろうか。

遊女たちは、前の自分の時のようにきっと逃げ出したに違いない

いや、でもそんな人数も今まであったか____?



不可思議な事が頭の中をぐるぐると回るが、あまり考えないようにしようと自室に戻った



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次の日の午後18時頃


いきなり客が入ったと知らせに来た店主


『あの、19時からも入ってるんですが』

「すまないね、お酌だけでも良いから割り込みで頼めないかい?」


うーん、と考えるが酌するだけなら。と返事をOKで返したA


そうすれば客間に移動するようにと言われ、急いで粧しこみ客間へと足を運んだ



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客間に入れば少し強面の男がいて


「君がAちゃん?さすがは店の顔ってくらい綺麗だね〜」

なんて言いながら隣に座るように手をトントンと床に打つ


『失礼致します』

そう言えば、男はお猪口を持たせてきては一緒に飲もうと誘う


『いえ、私は結構です』

「そう言わずにさぁ。一緒に呑む方が酒は美味しいんだ」

無理矢理お猪口に酒を入れては早く飲めと顎を上げ訴えてくる客に、仕方がないとお猪口を口にするA


『私もお酌いたします』

「いや、俺ァいいんだ。今から仕事があるからよ」

『…仕事?』


「そ。お前を連れて行かなきゃならねえんだ」


『……あれ』


そう言った男の顔はニタっと笑っているのがわかるが、だんだんと目の前が歪んでいくA


『な、にを……』


意識を保とうと頑張るが、叶わず

朦朧としたなか意識を手放し、ドサっと倒れたA



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作者名:キマイ | 作成日時:2023年3月19日 23時

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