24 ページ26
.
あの夜、Aをめちゃくちゃになるまで抱いた
俺を忘れないように、
いや、忘れさせないために抱いたんだ
俺の腕の中で泣きじゃくっていたAの顔を今でも覚えている
「…はぁ、何してんだ俺は」
初めは何も興味がないと、ただ不思議な女だと思って近付いたが
いつのまにか俺の方が目が離せなくなっていた
きっと、あんな事をしておいて忘れさせないどころか嫌われたに違いない
結局、忘れられないのは俺の方だ________
.
.
.
.
.
.
数ヶ月後______
あれから数ヶ月経った今客層が元に戻り始めては憂鬱な日々
けど大きな変化があった
あの悪相な店主が入れ替わり、違う人が店主になった
その女の人はごく普通だと思うが、私から見ればすごく良い人で
前の店主が悪すぎたせいか。そう思ってしまう
「Aちゃんよ、今日は休暇だろーに。少しは外の空気でも吸うておいで」
一度客と絶ったとはいえ、やはり持ち前ている容姿だ
またすぐに人気になる一方で
休む暇もないAに新しい店主が気を遣う
前までは外に出る事を許してはくれなかったのに
こんな気軽に外出許可が出るなんて
『…いいんですか?』
「えぇ構わんよ。ほら、いっといで」
こんなに良い人なんだ。
店を辞めたいと言えば辞めさせてもらえるだろう
だが辞めた後を考えると行く宛も留まる場所も無い
それよりも、ここを辞めれない理由がある
ここにいればいつかまた、神威が来てくれるかもしれない
そう願う毎日でも、会いに来ることはなくて
本当にあの日が最後だったんだ。と少し後悔した気持ちになった
.
.
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:キマイ | 作成日時:2023年3月19日 23時