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あの夜、Aをめちゃくちゃになるまで抱いた


俺を忘れないように、

いや、忘れさせないために抱いたんだ



俺の腕の中で泣きじゃくっていたAの顔を今でも覚えている




「…はぁ、何してんだ俺は」


初めは何も興味がないと、ただ不思議な女だと思って近付いたが
いつのまにか俺の方が目が離せなくなっていた


きっと、あんな事をしておいて忘れさせないどころか嫌われたに違いない


結局、忘れられないのは俺の方だ________



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数ヶ月後______



あれから数ヶ月経った今客層が元に戻り始めては憂鬱な日々

けど大きな変化があった


あの悪相な店主が入れ替わり、違う人が店主になった

その女の人はごく普通だと思うが、私から見ればすごく良い人で
前の店主が悪すぎたせいか。そう思ってしまう



「Aちゃんよ、今日は休暇だろーに。少しは外の空気でも吸うておいで」

一度客と絶ったとはいえ、やはり持ち前ている容姿だ
またすぐに人気になる一方で


休む暇もないAに新しい店主が気を遣う


前までは外に出る事を許してはくれなかったのに
こんな気軽に外出許可が出るなんて



『…いいんですか?』

「えぇ構わんよ。ほら、いっといで」



こんなに良い人なんだ。

店を辞めたいと言えば辞めさせてもらえるだろう

だが辞めた後を考えると行く宛も留まる場所も無い



それよりも、ここを辞めれない理由がある



ここにいればいつかまた、神威が来てくれるかもしれない



そう願う毎日でも、会いに来ることはなくて

本当にあの日が最後だったんだ。と少し後悔した気持ちになった



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作者名:キマイ | 作成日時:2023年3月19日 23時

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