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息ができない
『っ…かむ、ぃ』
むしろ息をさせるのを阻止するかのように
背中にはギッと爪を立て、心も身体も苦しいと訴えるように見つめる
「…、Aっ」
水が止まらないと言うように目から涙が溢れ出して
『ごめ、なさっ…』
私達は、この
これで良かったんだ________と。
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目を覚ませば神威の姿は無かった
時間を見れば朝の5時頃
泣き腫れたのか重たい瞼を薄ら閉じる
夜の出来事を思い出せば切ないような
身体中には赤い印に髪までもが乱れていて
不意にまた涙が溢れ出した
『…ふっ、っ……』
これでもか、と言うほどに抱かれたが愛の言葉は無かった
その言葉がなくても伝わるほどにわかる数々の印
私が汚れていなければ________
素直に愛を伝えられただろうか
痛く重たい腰を抑えながら身体を起こして先ほどまで居た神威の体温を確かめるように布団を掴む
『……神威、行かないでっ……』
まだ暖かった布団、
追いかければ間に合うんじゃないか
でもそんな勇気は更々無くて
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それから私の目の前に神威が姿を現す事は無かった_______
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作者名:キマイ | 作成日時:2023年3月19日 23時