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「ん〜ほとんど?」
俺立場上だから何でも分かっちゃうんだ、と言ってはまた酒を一口
「小さい頃に両親亡くして、お父さんが夜兎だった。それから他人に引き取られて少ししたら吉原に売られた。」
そう次々と全部の的に当てられて行く言葉
「お父さんはアンタを守る為に死んだんだろ?」
そう、その通り
小さい頃、夜兎は希少動物などと言われるくらい
その血が流れている私は価値があるだとか天人に狙われたことがあった
その時にお父さんを亡くしたんだ_____
これ以上聞きたくないと口を挟む
『何が目当てで来たか分からないけど、今日限りでお願いします』
「えーやだよ。宝石のような女がどのような感じか見にきただけなんだけど」
何が宝石だ。
何も持っていない薄汚れた私を宝石だなんて、何かの間違いだ
『…人間違いです、そのような方は此処にはいません』
「いるよ、此処に」
そう言えば、前にもされた事がある。と顎に手を添えられれば「紅い宝石みたいだ」なんて瞳を見つめられる
「せっかく会いにきたんだ。楽しませてよ、A」
不意に名前を囁かれては、ドキッとしてしまい
その声はいつもよりも低い声で顔は笑っていなかった
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作者名:キマイ | 作成日時:2023年3月19日 23時