【銀魂】彼女の小指には赤い糸が沢山ある【沖田総悟】

浮気相手が、50人目 ページ50

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ー銀時side



Aが攫われて沖田くんが去り
俺は神楽や新八と手分けして探した。

真選組に言う事も考えた。

けど、理由は無いけど何となく
言わなくても沖田くんが
見つけてくれる気がしていた。

明らかに、何かを知ってる感じだった。



そして、Aの捜索から何時間後の事だろう

夕方頃に万事屋に戻るとそこには
着飾った姿で眠るAを抱く沖田くんの姿。



「…なるほど。…考えたくは無かったから
捜索はしなかったがやっぱり吉原(あそこ)だったか」


「…」



口を開くと、俯いていた沖田くんが顔をあげた
状況に似つかわしくもなく
微かにその頬が赤く染まっていた。

一瞬、熱でも出したかと思ったが
少しばかり違うらしい。



「…何か、姫様でも攫ってきた気分でさァ」



家の鍵を開けながら「だろうな」と言った。
てっきり居場所を突き止めたものだから
事情を知っているとばかり思って
家に入りブーツを脱ぎながら言葉を続ける。



「コイツは吉原ではちと特別だからな」


「…どういう事ですかィ?」



その反応に初めて事情を知らない事を知った。
流石に、Aの許可無しに
Aの事をベラベラ話すわけにも行かない。

俺は「あー…」と濁しながら
とりあえず部屋に布団を引き
Aを寝かせるように促した。

沖田くんはAを寝かしながら
俺が話す気がない事を察したのか
思い出したように口を開いた。



「そういや、Aがお香を吸わされてやした
何でも惚れ薬とかで…。
最初に見た奴に惚れるとかなのか

どうやら今最初に見た俺に惚れてるらしくて」



吉原の惚れ薬。心当たりはあった。
恐らく愛染香だ。…過去の事件を俺は忘れてない

その惚れ薬を嗅がされて
沖田くんを最初に見たわけ、か。



「それって好都合なんじゃねーの?
お前の反応を見る限り
…好きなんだろ?Aの事」


「そりゃあ、アンタもでしょう、旦那」


「いやいや、俺は都合の良い関係ってだけだ。
まあ、とにかく。俺は解毒香を貰ってくるわ」


「そんなのあるんですかィ?」


「…残念?」



沖田くんは一度、片眉を上げると
まるで拗ねたようにフイッと目を逸らした。

お前が拗ねても可愛くない。


俺は改めて立ち上がると
「んじゃ、行ってくるわ」と言って部屋を出た


万事屋を出て、鉢合わせたお妙に
Aの看病を頼んだのも
後に月詠から解毒香を貰ったのも


そして、Aの初めて恋に落ちる瞬間を
目のあたりにするのもまた後の話。

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