70話 ページ29
神楽が来た数日後、やることもやりたいことも無い私は、フラフラと街を歩いていた。
神楽に「付き合っているのか」そう言われてから、心の片隅にその疑問がずっとあった。
ちゃんと話さなきゃ、と思ってはいるものの、なんて話せばいいのかが私はやはり分からない。
はあ、と深いため息をつく。
…すると、前から茶髪のドS王子がやってくるのが見えた。向こうも私に気がついたようで、ニヤニヤとこっちに向かってくる。
「…なにをそんなにニヤニヤしてんの。」
「いやあ、あんたも大変だねィ。」
…なんのことだ。別に最近大変なことなんてないし、銀時の件以外において私はとても平和に過ごしている。
「私に今大変なことなんてないけと…。」
「…へぇ。頭の中お花畑のようで。」
「どういう意味だよ!!」
「あそこ見てみなせェ。」
そういった沖田くんの指が刺した方向を見ると、甘味屋の椅子に腰かける銀時と…はじめ見る女の子がいた
。
別に銀時が誰かといることが珍しいのではない。ストーカーだっている。けど、誰かといる時の誰かは私も知っている人だ。さっちゃんや、月詠などなど。
…だが、今の銀時の横にいるのは私の知っている人でも、見たことのある人でもないのだ。
2人は仲良く団子を食べていた。
…私といるときにあまり見せないような笑顔で。
「…沖田くん、銀時が何してようが私には関係ないから。」
私はめちゃくちゃ笑顔で言ってやった。
イライラとか悲しさとかそういう感情でぐちゃぐちゃだ。笑って言ってやらないと、自分が哀れだし、沖田くんに馬鹿にされかねないし。
まあ、ほとんどがいわゆる強がりと言うやつだろう。
じゃあね、と沖田くんに言い残し、私はその場を去った。
沖田くんを避けて通ったその先に銀時と女の子が一緒にいる。私に気がつけばいいのにという思いと、お願い気づかないでという思いがあり、矛盾した気持ちに戸惑いもあった。
…けど、銀時は女の子との会話に夢中で私になんて目もくれなかった。
そしてやっぱり、私は銀時と付き合っていないんだろう。
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銀羅(プロフ) - 凛さん» 長い間、お待たせしました!何回も読んでくださり本当ありがとうございます!なに書こうか、考えがだんだんまとまり出した感じがしてるので、また頑張ります! (2020年11月20日 17時) (レス) id: a7867cf727 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 更新凄く嬉しいです。何度も何度も読み返してはずっとお待ちしておりました。先の展開とか、行き詰まるとやる気なくしますよね。けどこれからも更新お待ちしております、頑張ってください! (2020年11月20日 0時) (レス) id: 0f5c65d312 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 頑張ってください!続き読みたいです! (2020年3月26日 1時) (レス) id: e1da7af444 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - とっても続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年11月9日 21時) (レス) id: 8be7be3569 (このIDを非表示/違反報告)
銀羅(プロフ) - トマトさん» ありがとうございます!!更新頻度は遅くなると思いますがよろしくお願いします!! (2019年10月15日 0時) (レス) id: d2e8927ad9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銀羅 x他1人 | 作成日時:2018年9月22日 21時