好きだけじゃ、超えられない壁がある2 【坂田銀時】

69話 ページ28

あれから少し時間が経った。

私自身も平和に、私の周りの人達も平和に過ごしていた。



ある日、志村家に神楽がやってきた。神楽を出迎え、居間にて2人でテレビを見ながら、お菓子をかじっていた。

神楽が1人で遊びに来るなんて珍しいな、なんて考えていると神楽がテレビではなく、私を見ていることに気がついた。



｢…なに？？｣


｢銀ちゃんと付き合ったアルか？｣


｢へ…？｣


あまりに急で、真正面すぎる質問に私は言葉が出なかった。


そして、考えてしまった。





(私と銀時は…付き合ってるのか？？)



あれから、1回も会わなかったわけではない。万事屋に遊びに行ったりもしたし、散歩中たまたま会うことだってあった。

けど、今まで通りの私たちだったのだ。普通の関係と言うべきだろうか。

彼氏彼女特有の雰囲気のようなものは特に私は感じられなかった。








それから、私は重要なことに気がついてしまった。


(付き合おう的な話にはなってないよな…？？)



いつか、その、あれだ。だ、抱いてやるとかは言われた。｢好きだ｣とも言ってもらった。


けれど、その会話=付き合うとなるのだろうか。

ご存知の通り、私は恋愛経験がほとんどない。いや、皆無と言っても過言ではないだろう。




｢…神楽、私たち付き合ってるのか？？｣


｢いや、知らねーヨ。｣


｢そもそも、付き合うってなんだ！？チューすれば付き合うなのか！？〇〇〇すれば付き合うのか！？｣


｢…キャラ崩壊しすぎだロ。落ち着けヨ！！｣



うっ…。年下に説教されてしまった…。



けど、本当に分からないんだ…。

それから、もし私が『私たち付き合ってるよね？？』的な質問をしたとしよう。銀時に『え、そうなの？』って返されたら私はどうすればいいのか…。



｢神楽、どうしよ…。｣


｢ちゃんと、銀ちゃんと話するしかないネ。｣


｢けど、私そんな勇気ない…。｣


｢…銀ちゃんなら大丈夫だロ。多分。｣




…最後の言葉がなければ大分励ましになったが。多少不安になったのは気のせいであって欲しい…。

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