55話 ページ12
「ーーーー…こんな感じですかね」
「そうか、助かった。恩に着る。」
私は今真選組にやって来ていた。あの後吉原で少し休ませてもらい、それから真選組に。土方さんに色々報告を済ませていた。
「潜入中に特に何も無かったか?」
「ーーーはい。何も。そうじゃなかったら私ここにいませんよ?」
あんな事があったなんて言えるわけがない。別に命に関わるような出来事起きたのではないのだから。
「…それもそうだな。礼を言う。」
私は土方さんから封筒で渡されたお金をありがたくいただき、部屋を出ようとした。
その時…
「キツくなったら、来いよ」
という言葉が聞こえた。
返事もせずに出てしまった。返事もできないほどに私は驚いていた。そんなに顔に出ていたのだろうか?…いや、土方さんが別格なのだろう。人の変化に気づきやすい人だから…。
…それでも、私には言う勇気なんてない。
心の中で土方さんへ気づいてくれたことへの感謝をし、攘夷志士を後にした。
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「ーーーーただいま」
久しぶりに潜る志村家の門。実の家ではないのにこんなにも安心感を得られるのはこの家に住む人々の雰囲気のおかげだろうか…。
やっと心から休めるような気がしてきた。
「Aちゃん、帰ってきたんですね!」
家の中に入る音が聞こえたのか、居間にいたと思われるお妙が玄関までわざわざ出迎えに来てくれた。
「…ただいま、お妙」
「おかえりなさい」
普通の会話に思われるだろうが、私には非常に安心を与えた。この日常の会話こそが、私がやっと潜入捜査から離れたと感じさせてくれるからだ。
(…このままあのことも忘れられてしまえばいいのに)
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銀羅(プロフ) - 凛さん» 長い間、お待たせしました!何回も読んでくださり本当ありがとうございます!なに書こうか、考えがだんだんまとまり出した感じがしてるので、また頑張ります! (2020年11月20日 17時) (レス) id: a7867cf727 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 更新凄く嬉しいです。何度も何度も読み返してはずっとお待ちしておりました。先の展開とか、行き詰まるとやる気なくしますよね。けどこれからも更新お待ちしております、頑張ってください! (2020年11月20日 0時) (レス) id: 0f5c65d312 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 頑張ってください!続き読みたいです! (2020年3月26日 1時) (レス) id: e1da7af444 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - とっても続きが気になります!更新頑張ってください! (2019年11月9日 21時) (レス) id: 8be7be3569 (このIDを非表示/違反報告)
銀羅(プロフ) - トマトさん» ありがとうございます!!更新頻度は遅くなると思いますがよろしくお願いします!! (2019年10月15日 0時) (レス) id: d2e8927ad9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銀羅 x他1人 | 作成日時:2018年9月22日 21時