5話 ページ7
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「いらっしゃいませー!」
かぶき町の夜は忙しい。荒れた街なだけあって、色んなわけアリのお客さん達がここーーーすまいるに集まる。「嫁がさ、俺のこと人間とも思ってねぇんだよ」のように、普通に女の子似合いに来る人もいれば、日頃の鬱憤を晴らしに来る客もいる。
そういう客は面倒くさいので、できるだけ相手にはしたくないのだが…
「Aさん!お妙さんが、ヘルプに来てほしいとの事です!!」
「あ、はい。今行きます!」
残念ながら、呼ばれてしまった。そういう客に…。
お妙に呼ばれただけで、これがわかるのには理由がある。
鬱憤晴らしの客は、お触り禁止のこの店において、簡単にキャバ嬢の体に触れる客が多いのだ。そんな時は我らが秘密兵器、お妙の登場。お妙に触ろうものなら、命はない。
それが分かっているから、大抵の客は静かになる。
まぁ、来店が初めてなら触ってくる客もチラホラいるが…。
そして、そんなお妙にヘルプを頼まれるのには理由がある。…私が居候の身だからだ。私が、志村家に住ませて貰う条件として、時々人手が足りない時、手伝うように言われているのだ。無論タダ働きで。
「はぁ…」
お妙に聞こえないよう小さくため息を吐く。
お妙にはもちろん感謝している。住む家もなく、居場所もなかった私を助けてくれたのは彼女だ。この仕事はしっかりやり遂げるが、それでも私はこの仕事に向いていないようで…。
何をやっても、何度やっても作り笑いになってしまう…。元から、表情が豊かではないから、余計に大変だ…。
重い足取りで、お妙のいる所へ向かい、客の隣に腰掛ける。
「し、失礼します。Aって言います。どうぞ今日はよろしくお願いします。」
「Aちゃんね。今日はいっぱい飲もっか。」
優しそうな顔をして微笑むが、だんだん手が腰に近づいてくるのが見え見えだ。だからと言ってお妙のように、ぶん殴って手を払うって言うことも出来ないのだけれど…。
お妙に気づいてもらえるよう、念を送る。これは意外と届くのを、今までの経験上で分かっている。
そして、案の定気づいたお妙に客はボコボコにされていた。
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銀羅(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» 初めまして!コメントありがとうございます!キュンキュンして貰えたなら書いた甲斐がありました!!できるだけ毎日更新したいと思っています!!そろそろ続編にも行く予定なので、これから応援よろしくお願いします!! (2018年9月20日 19時) (レス) id: 0bdbea2a96 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - お初にお目にかかります!ただのアニメ好きです!銀さんとの水上オートバイクのお話すごいキュンキュンしながら読んでました!お話今までのも素敵でした!続き楽しみにして待ってます!更新自分のペースで頑張ってください! (2018年9月20日 12時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
銀羅(プロフ) - 2度もコメントありがとうございます!!凄く嬉しいです!これからの展開も楽しんでください!! (2018年9月16日 21時) (レス) id: 0bdbea2a96 (このIDを非表示/違反報告)
華乃花 - 次のお姫様との対決が、とても楽しみです!銀さんの嫉妬感大好きです!これからも応援し続けます!!!! (2018年9月16日 16時) (レス) id: b2e278142f (このIDを非表示/違反報告)
銀羅(プロフ) - 華乃花さん» ありがとうございます!!応援してくださる方がいると頑張れます!!更新頑張るので、これからも読んでいただけると嬉しいです!! (2018年9月15日 21時) (レス) id: 0bdbea2a96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銀羅 x他1人 | 作成日時:2018年9月5日 21時