好きだけじゃ、超えられない壁がある【坂田銀時】

27話 ページ29

｢真選組も旅行ですか？｣

銀時たちが喧嘩をしているのを横目に、近藤さんに新八が質問した。

｢いいや、護衛を頼まれてね。そこにいる姫様の護衛をやりに来ているんだ。｣

｢姫様の護衛…。｣


近藤さんの言う姫様をみると、凛とした佇まいで、可愛らしい姫様だった。


｢てめぇら、姫様の護衛を口実に遊ぶ気満々なんだろ？このクソ税金泥棒が｣

いつの間にか喧嘩は終了していたようで、少しイライラ気味の銀時が話に割って入ってきた。銀時の発言に対抗するように、土方さんも会話に参戦。

｢暇な万事屋と違って俺らは仕事だ。遊ぶ気なんざねェ。｣

｢…って言ってる割には沖田くん浮き輪もってるよ｣


黒い集団の中に目立つような、赤と白のボーダーの浮き輪を持っている沖田。私が言ったことによってすこし、｢やべ｣といって、後ろに隠したが、普通に見えていた。


｢総悟ォォォォォ！！｣


刀を抜き、｢切腹しろ！！｣とホテルのロビーで物騒なことを叫びながら、土方さんは沖田くんを追いかける。沖田くんは飄々と逃げているが…。

この人たちは人に迷惑をかけないと行動出来ないらしい。


｢やかましいのぉ。何事じゃ。｣

騒ぎを聞き付けた姫様がやってきた。
歩いているだけなのに、漂う上品さ。先ほどとは違い近くで見ると尚更綺麗だった。


｢ひ、姫様！！申し訳ありません。すぐチェックイン致します！！｣

近藤さんが謝罪をする。それを見て姫様は一瞬近藤さんを睨んだかと思ったら、ニコッと微笑んだ。


｢当たり前じゃ。何をタラタラしておるこのゴリラが。｣


…ん？？


今姫様がゴリラって言った？？微笑んだから、｢大丈夫じゃ｣とか言うと思ったらすんげぇ毒舌吐いてるんだけど！！

万事屋3人も姫様の言葉に目をまんまるにしていた。

真選組は慣れているようだが、ゴリラと言われた近藤さんは少し傷ついていた。

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