好きだけじゃ、超えられない壁がある【坂田銀時】

25話 ページ27

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無事退院し、普段の生活に戻りつつある今日この頃。何か面白い事起きないかな、なんて考えていると、ドタバタと誰かが廊下を走る音が聞こえた。



｢A！！！！！！！！旅行ォォォォォ！！｣


｢…は？｣



ドタバタと廊下を走った犯人は神楽で、すごい勢いで障子を開けたかと思うと｢旅行｣なんて、色々急すぎてついていけない。


｢だから！旅行アル！｣

｢あ、旅行行ってくるの？楽しんでおいでー。｣

｢違うアル！！Aも行くんだヨ！！｣

｢…は？｣


旅行になぜ私が行くのか、色々情報が少なさすぎて全く理解不能。それより、神楽が興奮しすぎて語彙力がいつも以上にない。


｢おい、神楽。Aなんも理解してねぇぞ。｣

｢え、銀時。なんでここに…。｣

｢神楽が先走って行っちまったんだよ。ほら、新八もいるぜ？｣

｢あ、ほんとだ｣



新八は興奮気味の神楽を抑えようと奮闘中だった。神楽があれでは何も話が掴めなかったので、銀時に質問をぶつけた。


｢旅行ってどういうこと？｣


｢さっき、商店街のくじ引きで当てちまったんだよ。俺は旅行券より、宝くじ当たった方が嬉しいけどな。｣


なるほど、それで旅行か。と思う同時に宝くじの方がいいという銀時はやはり銀時であると思った。


｢旅行なら３人で行ってくればいいんじゃないの？なんで私まで…。｣


｢チケット4人分なわけよ。…まぁ、お前色々あったし少しはっちゃけたいだろ？｣


ぽんぽんと私を撫でながら言う銀時。何かと気にかけてくれているのに嬉しくなった。


｢…ありがとう。行かせてもらうよ。｣

｢…おー。｣



興奮していた神楽が、この言葉に反応した。

｢A来るアルか！？！？｣

神楽が私の目の前まで顔を近づけて言った。この距離で話されると唾が飛んで仕方ないが、それほど楽しみなんだな、と思った。


そんな神楽を見るとなんか、楽しみになってきた。




｢…行くよ。誘ってくれてありがとう！｣

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