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21話 ページ23

銀時side






住所を元に向かっていくと、『花田』と書かれた表札のある家を見つけた。それなりに稼いでいるのか、とても広いこの家は何故かおれには息苦しく感じた。


広い家の割に、誰もいない門を通り敷地へと進んでいく。人の気配はあまりせず、本当にAがここに居るのか不安になってきた。


…しかし、不安になったのは一瞬だった。ひとつの部屋から、人影が見えた。花田とやらの顔はよく知らねぇが、俺はなんとなくこいつが花田であると思った。


それと同時に嫌な予感がした。なにか、やばいことが怒るようなそんな予感。


花田はなにかに夢中で俺にはありがたいことに気づいていない。すんなりとその部屋に近づくことが出来た。どんな様子か確認するために、窓からそっと部屋を覗く。


「…A!!」


覗くと、花田に馬乗りされた下着姿で怯えた顔をしたAがいた。それだけでも驚いたのに、花田が急に怒りだし、カッターを取り出した。


「…!!おい待て…!」


そんな俺の声は届かず、Aの腹が切られた。

Aの痛そうな表情、涙が溢れたのを見ると怒りでいっぱいになった。


木刀で、ガラスを叩き割って中に入る。二人共驚いた表情をしていた。驚いてはいたようだが、Aの顔にはどこかほっとしたような表情も見えた。


「…誰だお前!!」

「お前に名乗る必要なんざねぇし、俺はそんなことしてる暇ねぇんだよ。」

木刀を力強く握りしめ、花田の元に駆けていく。「ちょっと…ま、待て!!」なんて声が聞こえるが、そんなん聞き入れるわけがねぇ。

木刀を振り上げ、花田目掛けて振り下ろす。そして、「う…」とうめき声を上げて、花田は倒れていった。

木刀を腰に戻し、Aの元に行く。


ベットの上でシーツにくるまったAは俯いていて、表情が全く分からなかったが、肩が少し震えている。


「…A」


名前を呼べば、ビクッと肩を揺らしゆっくりと顔を上げる。その顔は涙でグシャグシャで、頬が少し腫れていた。


「…大丈夫か」


そう声を掛けると、「銀時、銀時」と俺の名前を連呼しながら、抱きついてきた。


正直少し驚いたが、あのAがこんなになるほど怖い体験をしたのだと実感した。

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銀羅(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» 初めまして!コメントありがとうございます!キュンキュンして貰えたなら書いた甲斐がありました!!できるだけ毎日更新したいと思っています!!そろそろ続編にも行く予定なので、これから応援よろしくお願いします!! (2018年9月20日 19時) (レス) id: 0bdbea2a96 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - お初にお目にかかります!ただのアニメ好きです!銀さんとの水上オートバイクのお話すごいキュンキュンしながら読んでました!お話今までのも素敵でした!続き楽しみにして待ってます!更新自分のペースで頑張ってください! (2018年9月20日 12時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
銀羅(プロフ) - 2度もコメントありがとうございます!!凄く嬉しいです!これからの展開も楽しんでください!! (2018年9月16日 21時) (レス) id: 0bdbea2a96 (このIDを非表示/違反報告)
華乃花 - 次のお姫様との対決が、とても楽しみです!銀さんの嫉妬感大好きです!これからも応援し続けます!!!! (2018年9月16日 16時) (レス) id: b2e278142f (このIDを非表示/違反報告)
銀羅(プロフ) - 華乃花さん» ありがとうございます!!応援してくださる方がいると頑張れます!!更新頑張るので、これからも読んでいただけると嬉しいです!! (2018年9月15日 21時) (レス) id: 0bdbea2a96 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:銀羅 x他1人 | 作成日時:2018年9月5日 21時

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