19話 ページ21
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月明かりに照らされて、目が開く。ふわふわなベットの上で私はどうやら縄で手を縛られて気絶させられていたようだ。こんなかなりやばそうな状況なのに、意外と頭は冷静で、自分が誰かに連れてこられたと簡単に判断できた。
(…とりあえずこの縄ほどきたい)
私がするべきことはただ一つ。逃げること。ここがどこで、誰がするこんなことしたかなんて分からないけれど、逃げなきゃお妙や新八…みんなに迷惑をかけてしまう。
縄をほどこうといろいろやってみるが、何をしても縄をゆるめることすら出来ない。
「なんで…!」
これがほどけなければ逃げられない。このまま捕まったままなら、私はどうなってしまうのだろうか。不安が私を襲う。
何度も何度も縄をほどこうとしていると、私がいる部屋のドアが開き、一人の男が入ってきた。
「Aちゃん、その縄解こうなんてしないでよ〜。君には逃げて欲しくないんだからさ。」
入ってきた男は…花田さんだった。頭の中は「なんで」それだけでいっぱいだ。私に近づいてくるその顔に狂気を感じた。
「…なんで私をここに連れてきたんですか。」
「気づいてただろ?俺が本気で君を好きになっていたことを。それでも君は何をしても俺を見てくれなさそうだからさ、こうするしかなかっんだ」
ニコッと笑うが、その笑顔に寒気がする。
…確かに私はこの人の好意には気づいていた。しかし、前回会った時にしっかりお断りしたはずだ。客と従業員それ以上でも以下でもないと。
「あなたが私をいくら好いていてくれようとも、私があなたを好きになることは無い。だから、諦めて私を家に帰してください。」
何を言っても無駄だと、分かってはいるがやはりなにか抵抗はしないといけない。
「家に帰す…?何を馬鹿げたこと言ってんの?頭の中お花畑かな??」
気づけば身を乗り出し、私の目の前にいる花田さん。口角は上がっているが、目は全く笑っていない。
どうすればいいのか、私にはわからなかった。こんなのは人生初で…。まぁ、こんなことが人生で何度も起きていたらかなりヤバいが…。
「最後に聞くよ。ホントに俺を好きになる気は無い??」
私の答えは1つだった。
「ありません。」
きっぱりと言いきった。例え自分の身を助けるためにでも、嘘をつきたくなかった。
花田さんは「そっか」というと、私に覆いかぶさった。
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銀羅(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» 初めまして!コメントありがとうございます!キュンキュンして貰えたなら書いた甲斐がありました!!できるだけ毎日更新したいと思っています!!そろそろ続編にも行く予定なので、これから応援よろしくお願いします!! (2018年9月20日 19時) (レス) id: 0bdbea2a96 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - お初にお目にかかります!ただのアニメ好きです!銀さんとの水上オートバイクのお話すごいキュンキュンしながら読んでました!お話今までのも素敵でした!続き楽しみにして待ってます!更新自分のペースで頑張ってください! (2018年9月20日 12時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
銀羅(プロフ) - 2度もコメントありがとうございます!!凄く嬉しいです!これからの展開も楽しんでください!! (2018年9月16日 21時) (レス) id: 0bdbea2a96 (このIDを非表示/違反報告)
華乃花 - 次のお姫様との対決が、とても楽しみです!銀さんの嫉妬感大好きです!これからも応援し続けます!!!! (2018年9月16日 16時) (レス) id: b2e278142f (このIDを非表示/違反報告)
銀羅(プロフ) - 華乃花さん» ありがとうございます!!応援してくださる方がいると頑張れます!!更新頑張るので、これからも読んでいただけると嬉しいです!! (2018年9月15日 21時) (レス) id: 0bdbea2a96 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銀羅 x他1人 | 作成日時:2018年9月5日 21時