スマホ無くなっても死にゃあしねーよスマホのない世界で生きていくんだ ページ7
「さ、入れ。」
心做しかその声まで冷たく感じる、陰湿で冥暗な空間に私はまた入れられる事になった。
あれからまた尋問は続いて今はもう夕暮れ時に差し掛かっていた。
ようやく尋問室から連れ出されたと思うと、
今度は古びた鉄格子が外とを隔てる、
(牢屋に、入ってしまった.....)
まだ上からの判決が下っていないため、こうして留置するらしい。
連続殺人犯の私は、庶民向けの『大牢』に入れれば、
その中で他の仮収容されている人間に危害を加えるのを危惧したのか、
特別に個室の牢屋『揚がりの座敷』という場所に収容された。
尋問は明日もあるらしく、なんの意味があるのかなんて知る由もない。
あまりに鬱鬱しい静けさ、地面も壁も天井も、埃臭くて汚い。
一人この場所に浮いた私は膝を抱え込んで座った。
私を連れてきた男達は重みのある鍵音を立てて、それぞれ持ち場に戻るように退散して行った。
(変な感じ、異世界に来てまさか逮捕される日が来るなんて....人生何があるか分からないとよく言うけど、本当だなぁ....)
現実逃避するかのように自分を客観的に見て少しでも落ち着こうと励む。
銀さん達がきっとどうにかしてくれるはず、
願うように縋るように彼らの助け舟を乞う。
そしてふと、尋問室から出る時、
冗談なのか本気なのか、沖田くんが含みのある笑みで言ったことを思い出す。
『でももしこのまま本物の犯人が出てこなかったら、そしたらあんた、
極刑に処されるかもしれやせんねィ。』
なんて恐ろしいことを、
と彼の端正で歪んだ顔を思い浮かべては振り払う。
でもこうしてまだ平気を保っていられるのは、彼らがどうにか助けてくれる、という信頼のおかげだろう。
その気丈がいつまで続くか自分でも分からないが。
藁は肌に悪く、着物を病院で着替えさせえもらったのだが、素肌の出る部分は粗い藁に傷付けられた。
そこでハッと、あることに気づく。
(銀さんが.....銀さんが選んでくれた髪留めが......
ない!!!!!)
帯に付けていたはずの青い竜胆の髪留めがその形を消していた。
(うそ.....嫌だそんな......嫌だっ....)
大切なものを失った時の気分というのは、
自分が死刑になるかも、と宣告された時よりも恐ろしいものだと、
私は初めて知った。
それからしばらくその狭隘な空間に一人の嗚咽が漏れ続けた。
論より証拠、証拠より私感?→←優柔不断な奴ほどさっさとゾンビに喰われる
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のと丸(プロフ) - ジャスタウェイさん» ジャ、ジャスタウェイさん...!初めまして!!お褒めのお言葉誠にありがとうございます!!更新頑張ります〜(●´▽`●) (2019年8月13日 20時) (レス) id: 73b1ba17eb (このIDを非表示/違反報告)
ジャスタウェイ - とても面白いです。ぜひ更新頑張ってください。 (2019年8月13日 19時) (レス) id: f6013c941d (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» みぃさんこんにちは〜!!超特急で帰ってきてしまいましたね笑応援ありがとうございます!!(●´▽`●) (2019年8月9日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - こんにちはです!帰って来るの待ってました。これからも頑張ってください! (2019年8月9日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - シルバさん» コメントありがとうございます!!すごくすごく嬉しいです!!。゚(゚^ω^゚)゚。更新停止と宣っておきながら、結局更新再開することになってすみません(TT)節操なしの作者ですが、何卒宜しくお願いします!<(_ _*)> (2019年8月9日 12時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月28日 17時