異世界人と万事屋３【銀魂】

これから暫く更新ノロくなります。けれど完結まで必ず書きます。 ページ47

〜銀時side〜


(うし、この案でいくか。)

俺はズボンとベルトを手に個室トイレの扉を開く。



「うおっ！何お前、ズボン履いてねぇじゃねぇか！」

「トイレットペーパーなかったんで、隣から借りようと、」

「もさっさとしろ！こんなくせぇ便所とっとと出ていきてぇんだよ。」

悪態つきながら俺の下半身を見まいと背を向ける野郎の隙をついて、

(おらっ！！)


思いっ切り股間に蹴りを入れる。


その瞬間、野郎が声を出す前に脱いでいたズボンの片足の部分で後ろから口を縛り、


もう片方の足で目を縛った。


股を両手で押さえて悶絶する男の腹に、もう一発だけ決め込むと、ばたりと気を失った。


(気づかれてねぇよな...)


急いで意識不明の男を個室に入れ、服や靴をひっぺがし、自分の服を脱ぎ捨てた。


腰のベルトで男の手首を縛って。


(夜兎っつっても男にゃ変わりねぇのな、股間はやっぱ痛てーか。)


我ながら非人道的な事をやってしまったと反省しつつ、


着慣れない中華服の格好で、門番のいる出口を抜けるべく、顔をマントで覆った。


「隊長、どうされたのですか？」


「奴はまだ用を足しているんですか？」


「というか、何でマント頭まで覆ってるんです？」


即座に食らった二人の質問に焦りながら適当な返事を返す。


「トイレットペーパーがないんだと、コンビニでパクってくるわ。」


「っ隊長？！」


(逃げるが勝ち！！逃げるが勝ち！！！)


困惑する門番二人を置いて、逃げるように廃墟へと駆けた。


＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿......


「戻ったぞ....って、あれ？」


扉を開け、見張りの男の振りをして入ったものの、


「え、銀さん？」

「敵に寝返りしたアルかこのアホ息子！」


俺の格好に難癖つける神楽と新八を縄に縛ったまま残して、他の見張りの姿はなかった。


初めに神楽の縄を解きながら訊ねる。


「あの見張り達はどうした？」

「メシ取りに言ったアル。」

「え、マジ？ご馳走になってから帰るか？」

「いやどんだけタダ飯食いたいんだアンタ！！ご飯如きに釣られるな！！逃げますよ！！」


ボケる俺に躊躇なくツッコむ新八。


二人を無事解放すると、何とか誰とも遭遇せずに脱出できた。


「銀さん、そう言えば証拠がありませんよ！！これじゃAさんを助けられない！！」


「大丈夫だ、映像はまだ防犯カメラに残ってる、カメラごと持って屯所に直行するぞ！！」


走る俺の背後で二人の威勢のいい返事が返ってきた。

事の結末なんかは運にでも天にでも任せとけ→←夜の公衆トイレは一人で行くような所じゃないからさ

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