異世界人と万事屋３【銀魂】

急がば回れ？急いでんだから回ってる暇なんてあるわけねぇだろボケェェェ！！！ ページ39

〜新八side〜


竜胆さんの最後の言葉を思い出しているのだろうか。


さっきから珍しく静かな銀さんに目を向け、僕も同じように今までの出来事を回想し始めた。


(銀さん結構本当の事ズカズカ言っちゃったよなぁ、


でもあれは怒鳴るのも無理ない、


やっぱり竜胆さんは狐の虐殺鬼、良い人な訳なかった。


顔のそっくりなAさんとは何か関係があるんじゃないかって思っていたけど、


他人事みたいな口振りだったし関係ないのかなぁ。)



「あ、銀ちゃん行き止まりアル。」


「「はァ！！？！」」

神楽ちゃんの言葉に思わず僕の声が銀さんと重なって出た。


「おい言っとくけど俺のせいじゃねーぞ、文句言うならこのチャイナ娘と総悟に言え。俺はただこいつらのナビに従って運転しただけだ。」

事の重大さを知らない土方さんはのんびりと煙草の煙を吐く。


目の前は誰かの家の門が構えられていた。

どうやら私道に入ったみたいだ。


「テメーら降りるぞ！！もうこっから自分の脚力信じて探すしかねぇ！！！」

道破した銀さんは、勢いよくドアを開け下車した。

僕らもそれに続いて飛び出すと、今度はまだ車に乗ったままの二人に大声を浴びせる。


「お前らは捜索班でも何でもいいから人手をよこせ！！！」

「オイいい加減にしろ！！事件があるって聞いたから来たんだぞ！！万事屋のパシリになりに来たんじゃねぇ！！」

反抗して怒鳴る土方さんに、冷静になった銀さんが再び口を開いた。

「俺の大事な仲間の命が掛かってんだ。お前ー、それくらいの義理はあるんじゃねぇの？」


「ねーよアホ！









...ったく、何人いる。」



やっぱり頼るは土方さんだ！！！


僕と神楽ちゃんは顔を晴れ上がらせ、車内の無線機に応援を呼ぶ土方さんを見る。


「お前に借りを作るのはまっぴら御免こうむるからよ、あの日の事をチャラにしてやるわ。」

「あの日の事って何だ！！あの日の事ってェ！！！テキトーな事ぬかしてんじゃねェぞテメー！！！」


二人が話すといつもこうなる。

お決まりの一悶着に呆れた目を向ける神楽ちゃんと僕。

「土方さん旦那ァ、こーやって内輪揉めしてる暇ぁねぇんじゃねーですかィ？」

奥の座席から聞こえた沖田さんの言葉に二人は動きを止めた。


そうだ、グズグズしてる場合じゃない！





神楽ちゃんのお兄さんに捕まえられる前に、






Aさんの死刑執行日である明後日までに、










何としてでも竜胆さんを見つけないと！！！！

平和は求めるものじゃない、気を引き締め保ち続けるもの→←作者の頭の中で繰り広げられた数々の没ストーリーを読者は知る由もない

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