大事なものを守るためなら、鬼は角をも抜く ページ46
〜神楽side〜
心ここに在らずといった目で私を見つめるA。
「ほら、両手自由アル。やり返せヨ。」
この女はあの時新八を斬った最低なヤツだ、と強く念じて言い放った。
ぶった右手がAの瞳孔と同様に微かに震えるのを感じる。
(来るか....どう出るか....)
攻撃に身構えていると、動いたのは彼女の両手ではなく、半開きした口だった。
「む、無理...無理だよ....私、人をぶったことないもん....」
掠れた声を何とか口に出すと、小さくゆっくりと首を振る。
(まだ嘘をつくアルか!!
今度こそ!!本性暴いてやる!!
私は確かにあの目を見たネ、
殺人鬼みたいに酷く淀んだあの目をしっかりと、
コイツしかいないアル....!!!)
独善的とも言える判断であることは十分分かってた。
けれど、
万事屋を、私の
取り留めのない不安と怒りが溢れ出す。
こうして弱い人間ぶって、
私達が騙されるのを見て心の中で嘲笑してる、
そう思うと黙っていられなくなる。
「嘘つくな!!私を殺したくてたまらないクセに!!さっさとその空いた両手使って私にやり返せヨ!!新八を斬ったみたいに!!」
怒りが直接言葉になってAに怒号を浴びせた。
「できないってば!!!!」
萎縮しながらも、震える声を荒らげた。
Aの大声を初めて聞いたせいか、少し驚いた。
でも諦めない、ここで引くわけにはいかない。
(万事屋をこのアマに奪われる訳にはいかないアル!!!)
今度こそあの冷酷な本性をあぶり出してやる、と意気込んでついに私は彼女の首に手をかけた。
徐々に力を強めていく。
苦しむ顔、ああ...A
いや!!私は騙されない!!!
「ほら!!目の前にいるのはお前が憎くてしょうがない夜兎アル!!いい加減本性晒せヨ!!
猿芝居はもう見飽きたネ!!」
このまま怒りに任せてしまえば、コイツは本気で死んでしまう。
だから、さぁ、早く!!
あの時私を殺そうとした目で!!!
その両手で!!!
苦しみ悶える中、私の手を引き剥がそうと躍起になっていたAの両手が微かに離れたのが分かった。
キタ!!と身構える。
近づいてくるAの両手は、
どこに、
どこに来る、
(どこに.......)
だんだん後ろに回っていく両側の手に、
ふと困惑する。
何をするのかと思えば気付いた時には、
抱き締められていた。
水を得た魚だけではない、魚を得た水だって嬉しいのだ→←子供は、大人よりも、転んだ時の膝の痛みに慣れている
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のと丸(プロフ) - 餅みそさん» ありがとうございます!!更新頑張ります(●´▽`●) (2019年7月30日 12時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
餅みそ - こういう話し好きです!続き楽しみにしてます。更新頑張ってください (2019年7月29日 19時) (レス) id: bfc2e3a90c (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - MIRAIさん» コメントありがとうございます!!読者様にワクワクできるよう話を練っているので、そう言っていただけて本当に嬉しいです!!(´>ω<`)これからまたどんどんストーリーが展開していくので、どうぞ最後まで楽しんでって下さい!! (2019年7月26日 5時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
MIRAI - 先がわからなくってドキドキしながら読んでます!とっても面白いです。頑張ってください!! (2019年7月26日 3時) (レス) id: c6a480e818 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - 金持ちのボンボンになりたいさん» コメントありがとうございます!!ミステリー!そう言って下さるとは思いませんでした!(*^^*)これからもどうぞ楽しんでいって下さい!! (2019年7月25日 14時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月18日 20時