試食コーナーの試食品全部食べるのって何罪に問われるんですか ページ35
〜新八side〜
空は一片の雲も残さないまっさらな青空。
眩しい太陽に照らされたかぶき町は、今日も今日とて活気溢れた様子を見せる。
そんな賑やかな町で僕らはある人から頼まれた人捜しをしている。
はずなんだけど。
「神楽ちゃん、人捜し、してるんだよね?」
僕が呼び掛けた中華服を身に纏う赤毛の少女、神楽ちゃんは、
食品関係の店に立ち寄っては試食品を食い尽くすという、食い逃げとも呼べる行為を何度も繰り返していた。
「うっせーヨダメガネ!少女一人の胃も満たせねぇ財布スカスカ男が文句言うんじゃねーアル。」
そう言って試食品の果物を刺していた爪楊枝をくわえる神楽ちゃん。
「いや、僕の財布がスカスカになったの神楽ちゃんのハンバーグ定食のせいだからね、
おかげで僕は前菜しか食べられなかったし。」
少しは罪悪感を感じたのか急に黙り込んだ、かと思うとペッと何かを吐く素振りを見せた。
「種入ってたアル。」
(コイツ...僕の話は聞く耳持たないってか....!!)
分かってはいたけれど、やはりムカつく。
ふと気付けば神楽ちゃんの行動に眉をひそめる店員さんに囲まれ始めていたので、
僕らはその場を苦笑いでそそくさと逃げ出した。
「にしても何にも情報掴めないアル。このまま日が暮れちまうアルよー。」
とぼとぼと歩きながらそんな事をぼやく神楽ちゃんに僕も同調する。
「だねー、もうそろそろお昼になるのに....銀さんはちゃんと怠けずにやってるかな…まあAさんがついてるから心配ないか。」
僕の中のAさんの常識人という認識は、もうすでに確立していた。
少し、いや、かなり世間知らずな所はあるけど、それ以外はしっかりした真面目な人だ。と思う。
「おー!新八!今Aがいたアルよ!!銀ちゃん達こっちに来てるみたいネ!!行くゾ新八!!」
お宝でも見つけたのかと思うほど表情を晴れ上がらせ、僕の手を強引に引っ張りながら一直線に歩く神楽ちゃん。
彼女はこの万事屋に女の子が増えたのが嬉しいのだろう。
Aさんが来てから神楽ちゃんの笑顔が増えたような気がする。
「A─────!!!」
そう嬉々とした声色で、名前を呼びながら手を振る神楽ちゃん。
僕も彼女の目先のAさんを見ようと覗くと、そこに居たのは、
少し違和感のあるAさんだった。
目が悪いヤツはよく見えないくせに知り合いだと判断するな、知らない人だったりするから→←まだ一難去ってもないのにまた一難
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のと丸(プロフ) - 餅みそさん» ありがとうございます!!更新頑張ります(●´▽`●) (2019年7月30日 12時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
餅みそ - こういう話し好きです!続き楽しみにしてます。更新頑張ってください (2019年7月29日 19時) (レス) id: bfc2e3a90c (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - MIRAIさん» コメントありがとうございます!!読者様にワクワクできるよう話を練っているので、そう言っていただけて本当に嬉しいです!!(´>ω<`)これからまたどんどんストーリーが展開していくので、どうぞ最後まで楽しんでって下さい!! (2019年7月26日 5時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
MIRAI - 先がわからなくってドキドキしながら読んでます!とっても面白いです。頑張ってください!! (2019年7月26日 3時) (レス) id: c6a480e818 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - 金持ちのボンボンになりたいさん» コメントありがとうございます!!ミステリー!そう言って下さるとは思いませんでした!(*^^*)これからもどうぞ楽しんでいって下さい!! (2019年7月25日 14時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月18日 20時