異世界人と万事屋２【銀魂】

良い奴に限って死亡フラグが立ちやすい ページ16

〜銀時side〜


「この木に、引っかかってた....？」

俺はあまりに信じがたい言葉に、思わず復唱した。




ますます謎が深まっていく。




もし誰かが書いたのが風に飛ばされここに引っかかったとしたら、それを書いた人間こそ一体誰なのか、


それとも誰かが意図的にこの木に隠したのか、





今、解体作業が行われているここは、間違いなく昔、松下村塾があった場所だ。




この廃屋は、寺子屋を全焼されたあの後に再建された建物だろう。


数年しか経ってないはずの新築なのに、もうこんなに廃れて、もうぶっ壊されるのは謎だけど。


じーさんは話を続ける。

「屋根から見下ろした時、偶然枝葉の隙間から白いもんが見えて、
何かと思って見てみたら、木の幹の分かれ目に風に飛ばされない具合で刺さってたんだよ。」

その分かれ目を見てみると、ぎりぎり俺の手の届く位置にあった。

「じゃあ、本当の依頼人は結局誰か分からないんですか...振り出しに戻ってしまいましたね。」

「依頼人が分からないんじゃ報酬ももらえないネ、大富豪にもなれないし、家賃も払えないアル！！」

落胆する二人。


二人には悪いが、もう俺には報酬なんてどうでも良くなってる。


いや、それはうそ、やっぱ欲しい超欲しい。



でも今はただこの手紙の全貌を知りたい、

それだけを考えていた。


そして俺はある疑問が芽生え、それを口にした。

「じゃあじーさん、赤の他人の手紙をわざわざ郵便に出したのか、」


すると返事に困ったのか、うーんと唸り、また口を開いた。


「....その手紙を見つけて読んじまったからには、
もう見なかったことにゃ出来ねぇだろう。

なんちゅうかね、どうにも放って置けなかったんだ、その手紙を。
そして捨てる気にもなれねぇもんだから、
いっそ直接便利屋に持って行って、後は便利屋に任せようと思った次第さ。」



じーさんはお人好しか。



お人好しってのは、良心で依頼書を送ったって言うのに、

俺達みたいな奴らに依頼人と勘違いされて責任と報酬を強いられるハメになる、




全くもって不運な人種だ。





周りにゴロゴロいるから知ってるんだ俺。






依頼書を眺めてまた一つ疑問を抱く。


「最初の質問はお人好しだったからって理由で納得したが、もう一つ分からねぇ事があるんだ。」

「まぁいいぞ、いくらでも聞け。その代わり俺は代理で報酬なんざ払わねぇからな。」


最後の言葉を聞こえなかったことにして、俺は新たに質問した。

魂で動くヤツは金で動くヤツより印象に残りやすい→←さっき載せた最新話はどうかどうか忘れて下さい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す