さっき載せた最新話はどうかどうか忘れて下さい ページ15
「でも、ちょっと待て。」
はしゃぐ神楽ちゃんと新八くんを急に冷静な声で止めた銀さん。
「じーさん、これ、本当に全文じーさんが書いたのか?それと、吉田松陽とはどんな関係だ。」
疑いをかける銀さん。
それもそのはず、この紙に書かれた字は、弟子の銀さんお墨付きの先生の字なのだ。
ほぼ全く同じ字をかける人間なんてごく稀だし、
そんな人間が銀さん宛てに依頼書を書くなんて奇跡に等しい。
「ああ、そうそう、俺が書いたのは冒頭の宛名だけだよ。
あと、俺ァ手紙を送っただけで、その吉田松陽って奴とは何の関係もねぇただの赤の他人だ。
話がしたいならここを離れよう、コイツらの仕事の邪魔しちゃいけねェ。」
そう言うと、現場敷地の隅にある桜の木陰へ誘導させる。
「じゃあじーさんは、宛先書いて封筒用意して、ウチに送ったのか?」
話の続きを再開させる銀さん。
「そうだ、手紙には宛先書いてなかったからよ、俺が書いてやったんだ。」
秀策さんの言葉を途中で無視して、その宛先の字を確かめようと、手紙の周りに来てはそれを四人で覗き見る。
「うわ、ホントだ。全然字違ーな、ちょっと似てるけど。内容ばっかり見てたせいで気づかなかったのか、盲点だったわ。」
そう言って内容ばかり気にして気づかなかった、と言い訳する銀さん。
確かに内容ばかりに目がいって宛名はよく見なかったが、
先生の字と思い込んでしまったのが悔しいのだろう。
その反面、「結構字似てる」と、私達三人は意見が揃った。
「じゃあ、それ以外の本文は、誰が書いたって言うんだよ。」
銀さんが訝しげな顔で責めるように訊ねる。
「誰って、そんなの書いてあんだろ、松下村塾の吉田松陽って奴に決まってらぁ。
そうだ、そもそもお前らなんでその吉田松陽じゃなく、俺を訪ねてきたんだ?
依頼人は俺じゃなくてこの吉田松陽に決まってんだろ。」
思い出したかのように、矢継ぎ早に話す秀策さん。
「こんな文書くヤツじゃねぇんだよ、松陽は。」
「何だ、お前その依頼人と知り合いなのか。なるほどねェ。」
そう言って腑に落ちたように何度も頷いた。
「じゃあその手紙どこで手に入れたアルか?」
神楽ちゃんが問うと、
「ああ、この手紙はこの上。」
と言って、秀策さんは自分の背にある、今はもう食われた葉を付けた桜の木を指した。
「この桜の木の分かれ目んとこに引っかかってたんだよ。」
彼の指の先を追うように私達は一斉に木を見上げた。
良い奴に限って死亡フラグが立ちやすい→←人の話は遮らずに最後まで聞くのが礼儀
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のと丸(プロフ) - 餅みそさん» ありがとうございます!!更新頑張ります(●´▽`●) (2019年7月30日 12時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
餅みそ - こういう話し好きです!続き楽しみにしてます。更新頑張ってください (2019年7月29日 19時) (レス) id: bfc2e3a90c (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - MIRAIさん» コメントありがとうございます!!読者様にワクワクできるよう話を練っているので、そう言っていただけて本当に嬉しいです!!(´>ω<`)これからまたどんどんストーリーが展開していくので、どうぞ最後まで楽しんでって下さい!! (2019年7月26日 5時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
MIRAI - 先がわからなくってドキドキしながら読んでます!とっても面白いです。頑張ってください!! (2019年7月26日 3時) (レス) id: c6a480e818 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - 金持ちのボンボンになりたいさん» コメントありがとうございます!!ミステリー!そう言って下さるとは思いませんでした!(*^^*)これからもどうぞ楽しんでいって下さい!! (2019年7月25日 14時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月18日 20時