異世界人と万事屋２【銀魂】

自分の身を切られるより、大切な仲間を切られる方がよっぽど痛いと彼らは言う ページ37

〜新八side〜



「オイ、何固まってるアルかお前ら、」


しばらく唖然と、変貌したAさんを見つめていると、後ろから神楽ちゃんが覗き込んで来た。


僕に向けられていたAさんの目線が神楽ちゃんを捉えた瞬間、


その瞬間、



僕の真横に一筋の光が降るのが見えた。




それはただの光ではなく、一直線に神楽ちゃんにのびる刀だった。



ふと振り向けば、片手で胸を押さえ、赤い中華服をさらに紅く染めた神楽ちゃんが、

閉じた番傘を構えて立っていた。



この刹那にAさんは刃を突きつけ、神楽ちゃんはその攻撃をとっさに避けたようだ。



「な、何するアルかA....」


声を震わせながら、信じられないと言うような目で狼狽える神楽ちゃん。


彼女の手には血が垂れ流れている。


神楽ちゃんがあの瞬間で避けられなかったら、もしかしたらもう命はなかったかもしれない。


「Aさん...どんな理由か知りませんけど、仲間を傷つける奴は誰であっても許しません....！！
一体どうしたっていうんですか！！」


勝ち目はないと脳が叫ぶ中、勇気を奮い起こして、神楽ちゃんを背に立ちはだかった。


「許さない...？」


僕の言葉の一部をAさんが復唱したかと思うと、すぐに神楽ちゃんを狙って、再び襲いかかった。


目の前にいた僕は眼中にもないのか、ただひたすらに神楽ちゃんだけを襲う。




「どうしたアルかA！！お腹空きすぎて私が肉に見えてるアルか？！！」


必死にAさんの攻撃を交わしながら叫ぶ神楽ちゃん。


「アンタじゃあるまいしそんなワケないだろ！！つかこんな状況でよく冗談言えるな！！！」


そして自分もこんな状況でよくツッコめるな、と自分に叱責すると、


すぐに「そんなこと考えてる場合じゃない！」と頭を振る。

自分は反撃しないために一方的に攻撃を受けている神楽ちゃんを助けるために、僕も立ち向かった。


すると、


「新八！！！」



叫ぶ神楽ちゃんに突き飛ばされて、


僕は壁に打ち付けられ倒れ込んだ。


気付けば僕の腹部も血がみるみるうちに染み渡っていく。

「ぐはっ！！！」

遅れてやってきた激痛に声を漏らすと共に吐血する。


(いつの間に.....)


それはまさに一瞬の出来事で、


彼女は目にも止まらぬ速さで、神楽ちゃんに突き飛ばされる前に僕の腹を斬っていた。



「新八ッ！！！！」


悲鳴にも聞こえるような声で叫ぶ神楽ちゃんは、



悲劇に理性を失いそうなほど切実な目をしていた。

知りたくなかった真実というのは、裏切られた時に初めて知るもの→←目が悪いヤツはよく見えないくせに知り合いだと判断するな、知らない人だったりするから

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