恋に落ちるということは、惚れる側と惚れられる側どちらのせいなのか ページ23
「知らないねぇ、行方不明の女の子の話なんて聞いたことないよ。」
人々はみな口を揃えてそう言った。
行く先行く先に訊いて回るものの、情報は一向に掴めず、ただただ私達の体力が消耗されていく。
あれから1時間程度経っただろうか。
河川の脇を、とぼとぼと疲れの見える足取りで少しずつ前へ進む銀さん。
そんな彼の歩調に合わせて、一歩後ろを追うように歩く私。
「銀さん、お腹空いてません？私のお小遣いで何か食べましょうよ、奢りますよ！」
言おう言おうと思ってずっと言えなかったことを、意を決して口にした。
随分我慢していたが、ついに私の胃が限界を告げたのだ。
「あー、そういやそうだな、何か食べるか。」
思い出したかように立ち止まってお腹に手をやり、私の意見に賛成した。
「あ、あそこなんてどうです？」
私が指さしたのは何の変哲もないファミレス。
江戸時代にファミレスがある事に驚くべきだろうが、だからといって問題がある訳でもないから気にとめなかった。
「そうだな、パフェもあるし。」
(基準そこかよ！)
銀さんの呟きに心の中だけでツッコミを入れると、私達は方向転換した。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿....
「ごっそーさん」
最後にデザートのいちごパフェを食べ終え合掌した銀さん。
「そんじゃ、腹も満たされたことだし、行くか。」
そう言って立ち上がる彼につられて私も立ち上がる。
「先行ってろ」という言葉に何も考えず従うと、
気づいたら銀さんが会計を済ませ、そのついでか、妹さんの事まで聞き込んでいた。
ドアから出てきた銀さんに、私はすかさず声をかける。
「銀さんごめんなさい！私が奢るって言っときながら、」
そう言いながらさっき貰ったお小遣いを取り出そうとしていると、
その手首を銀さんが掴んで止めた。
「大人がこれくらい払わなくてどーするんだよ。
それに、せっかく貰った小遣いなんだ、自分の為に大事に使え。」
にっと微笑する銀さん。
私は銀さんのそんな不意打ちの優しさに、少しムッとした。
こういう、人の心理を上手く使って、故意でも無自覚でも私を惑わしてくる行為が、癪だった。
理由は単純。
私がそういうテクニックが使えないからという事と、
そんな
本人にとっては優しくしたつもりもないような事で、
少しでもときめいて、
少しでも嬉しくなって、
一方的に少しだけドキドキしている、
単純で幼稚な自分を認めたくないからだ。
人はみな好きな自分と嫌いな自分を認めなければやっていけない→←ドライブ帰り、家族を寝かせて眠眠打破飲みながら高速道路を運転する父は偉大なり
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のと丸(プロフ) - 餅みそさん» ありがとうございます！！更新頑張ります(●´▽`●) (2019年7月30日 12時) (
レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
餅みそ - こういう話し好きです!続き楽しみにしてます。更新頑張ってください (2019年7月29日 19時) (レス) id: bfc2e3a90c (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - MIRAIさん» コメントありがとうございます！！読者様にワクワクできるよう話を練っているので、そう言っていただけて本当に嬉しいです！！(´>ω<｀)これからまたどんどんストーリーが展開していくので、どうぞ最後まで楽しんでって下さい！！ (2019年7月26日 5時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
MIRAI - 先がわからなくってドキドキしながら読んでます！とっても面白いです。頑張ってください!! (2019年7月26日 3時) (レス) id: c6a480e818 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - 金持ちのボンボンになりたいさん» コメントありがとうございます！！ミステリー！そう言って下さるとは思いませんでした！(*^^*)これからもどうぞ楽しんでいって下さい！！ (2019年7月25日 14時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のと丸 | 作成日時：2019年7月18日 20時
