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工事現場の音とセミの鳴き声耐えるならどっち ページ13

流れゆく街並み、流れ際に必ず引き寄せる通行人の目線。

流されるまま見世物になる四人の人間。


「銀ちゃん、何で荷台にいるアルか私達。」

大きめなトラックであったことが幸いで、前のように窮屈な思いはしなかったが、

今度は開放的すぎる。


車が走れば風を上半身でしっかりと受け止める。



「しょうがないだろ、乗せてもらっただけでもありがてぇんだから。」

「どの口が言ってんですかもう。パトカーだって乗せてもらってただけでありがたかったんですよ?」


「「あれは例外だ/アル」」


新八くんの言葉に、息を揃えて、まるで嫌なことを思い出したかのように顔をしかめる二人。


その一方で私は、荷台に積まれた木材につかまり、酔って車体から落ちないようにと必死だった。


ふと風になびく銀色のくせっ毛を無心で見つめていると、

依頼書を眺めている銀さんに、話すことも無いくせ声をかけようと近付いた。





近づいたものの、またどうにも緊張して声が掛けられなくなっていた。


(どうしたんだろ....適当に話せばいいのに)


自分自身理解できない状況でいると、そんな私に銀さんから話しかけてくれた。


「どうした?A。厠か?生理か?」

「どっちも違います。」


口を開けばいつもこんな冗談ばっかり、銀さんは全くムードを考えもしない男だ。

でももしこんな馬鹿を言うことで話しやすい空気にしているんだとしたら、それは才能だし人格者だと思う。


銀さんは車酔いってしますか?なんて言う他愛のない会話を切り出せたのだから、

まあどんな言葉であろうと、声を掛けてくれた銀さんに感謝している。




「それにしても、何でこんなに古びてるんでしょうね、その依頼書。」

「俺も今思ってたんだよ、使うなら新しい便箋使えってのな。かなりの倹約家か?」

「さすがに倹約家でも便箋くらい、新しいもの使いますよー、だって、送る相手に失礼ですし。」


「だよなー。」


そう相槌を打つと、依頼書を懐に収めて車の進む前方を眺め黙ってしまった。


それからまたしばらく経って、工事現場のようなけたたましい音が響く場所に到着した。


「やっと着きましたね銀さ.......銀さん?」

「?」

私達は目を丸くして固まる銀さんの異変に気付き、この場所に何かがあるのだと察した。


「しょ、松下村.....」


掠れた声で呟く銀さんと私達の目に映ったのは、

彼の言う松下村塾という名の寺子屋ではなく、




建設機械が囲う解体中の廃屋だった。

人の話は遮らずに最後まで聞くのが礼儀→←ところで既に載せた話でも、ちょくちょく修正してます。呼び方とか変えてます、内容に関わる所は変えないようにしてます



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のと丸(プロフ) - 餅みそさん» ありがとうございます!!更新頑張ります(●´▽`●) (2019年7月30日 12時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
餅みそ - こういう話し好きです!続き楽しみにしてます。更新頑張ってください (2019年7月29日 19時) (レス) id: bfc2e3a90c (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - MIRAIさん» コメントありがとうございます!!読者様にワクワクできるよう話を練っているので、そう言っていただけて本当に嬉しいです!!(´>ω<`)これからまたどんどんストーリーが展開していくので、どうぞ最後まで楽しんでって下さい!! (2019年7月26日 5時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
MIRAI - 先がわからなくってドキドキしながら読んでます!とっても面白いです。頑張ってください!! (2019年7月26日 3時) (レス) id: c6a480e818 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - 金持ちのボンボンになりたいさん» コメントありがとうございます!!ミステリー!そう言って下さるとは思いませんでした!(*^^*)これからもどうぞ楽しんでいって下さい!! (2019年7月25日 14時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月18日 20時

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