逃げるは恥だが逃げるが勝ち、だがやはり恥に変りはない ページ5
「お嬢さんも食べる？美味いぞ。」
こぼれ落ちそうなほど乗っけたあんこの団子を頬張りながら男の人が勧めてきた。
「あ、あの、警察署の場所を教えていただければ一人で行きますから。」
徐々にあたりが暗くなり所々に明るい電気がつき始めている。
不安を悟られないよう平然としているが、なるべく早くここがどこなのかを理解したくてあくせくしていた。
「まあそんな急さんな。ねぇ、ちょっとー、おまわりさーん？何平然と俺の団子盗み食いしてんの。」
男の人は私の質問に答えることなく、すぐ側まで来ていた青年を窘めた。
その全身黒の男の人は赤くて変なデザインのアイマスクをして寝ていたはずだったのだが、
今は銀髪の男の人の団子をさも当然のように口に運んでいる。
(待って、今この人なんて言った？おまわりさん？)
「おー、旦那じゃァないですかィ。盗み食いたァ人聞きが悪ィですよ。あ、これうめっ。」
「いやー、どう見てもこれ完全に盗み食いでしょー。いいのー？警察が罪犯してー、これじゃ示しつかないよー？つかいい加減食うのやめろ！話があるんだよ！」
ついに痺れを切らして、銀髪の男の人は栗色のストレートヘアの美青年の最後の団子に伸びる手を掴んだ。
「話？すィやせん、俺金持ってきてねーです。」
「いや、そうじゃなくてさ、迷子の子がいるんだよ。対応してやってくれ。」
話が勝手に進んで追いつけないものの、どうやらこのほとんど黒いやたらスタイリッシュな服を着た青年はおまわりさんらしい。
もうどうだっていい、早く、早く帰りたい。
「迷子？貼り紙でも貼りやすかィ？」
おまわりさんとはとても思えない風貌に、言葉遣い。挙句にブラックな冗談かましてくる。
一体どんなヘンテコな世界に飛び込んだんだと頭を抱える。
「おいそれじゃ指名手配みたくなっちまうだろーが、犬猫じゃないんだから、まぁ確かに野良犬を拾った気分だけど、
ちょっと本気でヤバいんだよ、俺ーもうすぐ観たいテレビ始まっちゃうからさ、だからあとは頼んだぞ沖田くん！」
銀髪の男の人は沖田くんと呼んだその人の肩をガシッと掴むと、そそくさと元来た道を帰っていった。
「ちょっ、旦那ァ！！金！！団子代払っていやせんぜェ！！！」
声は虚しく空に消えていき、はぁ、と肩を落とすと、青年は懐から財布を取り出して何事も無かったようにお会計を済ませた。
(いや、金持ってんのかーい、)
思わずツッコんでしまった。
警察であれヤクザであれ知らない人にはご用心→←ぶっちゃけどんな奇抜な格好してても、慣れれば受け入れられる
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のと丸(プロフ) - 雪華さん» わー！鋼錬の小説で、コメントして下さった方ですよね！ありがとうございます！(´∀｀*)続編というか、新作ですが；； (2019年7月15日 9時) (
レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年7月15日 8時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» 初めまして！コメントありがとうございます！！ご感想とても嬉しく、励みになります！｡°(°´∀`°)°｡銀魂の小説は初めてなので至らないところがあるかもしれませんが、今後とも楽しんで下さい(´▽｀*) (2019年7月13日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです！とても面白いです！この作品が大好きです。更新頑張ってください！ (2019年7月13日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のと丸 | 作成日時：2019年7月10日 22時
