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人は大方外見で判断する生き物である ページ28

目を覚ますと辺りはもう薄暗くなっていた。

起き上がって戸を開けると夕闇が町を覆っていた。


(やっぱり何度寝て起きても、本当に目が覚めることは無いんだな....現実に起こってることなんだ....)


私は自分の手のひらを見つめて、改めて異世界にいることを実感した。



無心で空を眺めていると、時計の針の微かな音も聞こえてきた。


部屋を見渡すと、木刀が飾ってあったり、掛け軸に『いちご牛乳』と書かれてあることに気付く。



(どんだけ甘いの好きなのよ、銀さん...)


呆れを通り越して感心する。

定春が居間でちゃぷちゃぷと水を飲む音を響かせる。


心寂しく思って定春の方へ歩み寄った。


「定春?」

ワンッ

声をかけると返事をした。


「定春〜、私ね、実は違う世界から来たんだよ。信じてくれる?」

気まぐれに語りかけると返事をする定春。

ワンッ

「ホント?うふふ、信じてくれるのか、いい子だね。
.....ねぇ定春、これからどうなっちゃうのかな、私。

本当にこのままずっとこの世界で生きていかなきゃいけないのかな....さておき君のご主人様達には感謝しなきゃね。」



最初はあんなに怖がっていたくせに今は遠慮なしに定春の体に抱き着く。


定春が犬であることをいいことに、私は本音や弱音を余すことなく話してしまった。


「ごめんねー長々と。でも、最後まで聞いてくれてありがとう。」

そう言うと、定春はまた鳴いて返事をした。








「定春って....もしかして人の言葉通じるの?」



そうだ、今になって気付いたが、誰も定春を犬だなんて言ってない。


その上この世界はまだ知らないことだらけなのだから、もしかしたら犬の姿をした全く別の生き物かもしれないのだ。


そう思うとさっきまで垂れ流していた愚痴を恥ずかしく思った。

「あはは、ご主人様達はまだかね〜....」


恥ずかしさを紛らわすためにそんなことを呟くと、まるでフラグ回収のように彼らが帰ってきた。


それに反応して定春も玄関の方を見る。

しっぽを振って嬉しそうだ。

私も嬉しい、というか安心する。


「警備はしっかりやってるかー。」


そんな銀さんの戯言が飛んできた。

その声に次いで新八くん達の声も届く。


「Aさーん!今帰りましたよー!」

「ただいまアル〜!」





「おかえりなさい!」


私は定春と一緒に帰ってきた三人を出迎えた。







とりあえずまあ、心配しても仕方が無いから、受け入れていくしかない。


そう心の中で決心した。

川に飛び込む理由は千差万別→←自分で働いて手に入れた五千円は人からもらった一万円よりも価値がある



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のと丸(プロフ) - 雪華さん» わー!鋼錬の小説で、コメントして下さった方ですよね!ありがとうございます!(´∀`*)続編というか、新作ですが;; (2019年7月15日 9時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年7月15日 8時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» 初めまして!コメントありがとうございます!!ご感想とても嬉しく、励みになります!。°(°´∀`°)°。銀魂の小説は初めてなので至らないところがあるかもしれませんが、今後とも楽しんで下さい(´▽`*) (2019年7月13日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです!とても面白いです!この作品が大好きです。更新頑張ってください! (2019年7月13日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月10日 22時

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