火 ページ10
・
ごめんね豚さん…となんやかんかで捕獲に成功した豚を持って試験会場へと戻れば、先に到着していた参加者達は既に調理に取り掛かっていて
至る所で豚の丸焼きが作られているのだが、果たして豚の丸焼きは料理なんだろうか。そして皆は丸焼き以外の豚料理を食べたことがないんだろうか。
…とはいいつつ、私も作れそうな豚料理なんか浮かばないわけで
『とりあえず焼くか』
豚をセットして火をつけるべくスイッチを押す
もちろんスイッチを押したから火がついたのだが
その瞬間
視界いっぱい広がった赤に
首のあたりが締まるような、とにかく嫌な感じに襲われて
『……っ』
背筋を冷や汗が伝う
数秒そのまま固まって、ようやく自分の身に何が起こっているのか理解した
_____火が、怖い
『…キルア、私ちょっと向こう行ってくる』
「え、なんで？」
『トイレ』
「はぁ？」
我ながら酷い嘘だ。もっとマシなものはなかったのかと思うが今はそれどころじゃない
大丈夫。と自分に言い聞かせながら人のいないところに向かう
・
『っ、はぁ…っ』
会場から少し離れた木に手をついて、ずるりとしゃがみ込んだ
目の前がぼやけて、心臓がバクバクうるさい
息を吸おうとしてるのに酸素はうまく入ってこなくて、ひゅうひゅうと風の抜ける音がする
『…っやばい…』
頭に酸素が回らない。足に、身体に力が入らない
…こんなところで不合格？料理で？いやいやいや、そんなの絶対ダメでしょ
どうにかしようと息を吸い込もうとするも、やっぱり上手くいかなくて
じわり、と涙が滲む
心なしか吐き気までしてきてしまった
込み上げてくる不快感に意識が支配され、…最悪だ。と地面に倒れそうになった
_____その時
背後から草木の揺れる音と
「…A？」
私を呼ぶ
『……ヒ、ソカ…、』
そいつの声
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 331人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
不正ワーカー - 赤ちゃんはどこからくるの？8評価お願いします！ (2021年12月20日 15時) (
レス) id: 9cb17a261c (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - まぶぴちょこさん» ありがとうございます！凄く嬉しいです、頑張ります…！！ (2021年11月28日 12時) (レス) id: 65f7be7df1 (このIDを非表示/違反報告)
まぶぴちょこ(プロフ) - 話がとても面白くて、一気に読んじゃいました！続きちのしみにしています！更新頑張ってください🙇 (2021年11月27日 22時) (レス) @page35 id: 045921842f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆら | 作成日時：2021年8月27日 18時
