真選組の薬屋さんは愛され過ぎて狙われる 第伍錠目。【銀魂】

百四十九錠目。 ページ4

どこだろ、ここ。

真っ暗で何も見えない。

痛みもない。

なに……………？

『あ、起きた？』

「え…………？」

『まぁ、起きたって言っても現実では眠ってるんだけどね！』

アハハと笑いながら続ける。

前にいる女の子は藍色の髪の毛で私の夢に出てきたような気がする。

『ねぇ、皆斬ってるときどうだった？ねぇ？』

「は………？どういう、こと」

『どうもこうもないよ。ほら、斬って楽しかったでしょ？』

斬って？え……？

『………ま、いっか、帰る』

女の子は背を向けて歩いていく。

「ちょっと待ってよ！！！」

女の子は一度こちらを振り向く。

『気を抜いてたら、大事な人たちも奪っちゃうからね？』

バイバイと手を振るといきなりﾄﾞﾝｯと何かに押される。









「……………ぅ…」

目が覚めると無機質な壁。

病院？

体を起こすと医療器具が沢山ある。

そしてなぜか足に枷がついていた。

「なに、これ……………」

ｶﾞﾁｬ

沖田「目が、覚めましたかィ？」

「沖田、さん………………」

軽蔑の目。

『殺せ』

「う”ｯ……あ……」

『殺しちゃえ』

違う、

殺さない、

ダメだ、ダメだ、ダメだ、

「土方、さん、は…………」

意思を拒絶しながら聞く。

沖田「土方さんは、心臓はやられてなかったものの、傷が深くてまだ目が覚めてねェ」

「……………あれからどのくらい時間が過ぎましたか」

沖田「今日で二週間」

二週間も、私も土方さんも寝てるのか。

ああ、そっか。

私は高杉に命令されて、殺して………

ううん違う、高杉じゃない。

『君のせいだよ』

私の、せい、

沖田「………Aの足枷はしばらく取れねぇ。いつ、暴れちまうか分からねぇから………面会も、限られたやつしか……すまねぇ……」

「……………いいんです」

病室に静かな空気が流れる。

「……私は打ち首ですか？」

沖田さんにそう聞く。

沖田「そんなことさせねェ。絶対…………」

なんで庇うんですか。

「私、浪士斬ってるとき、すごく、楽しかったんです。変ですよね」

いつ、皆を殺してしまうか分からない。だから。

「いいです。もう、庇わなくて」

私は沖田さんが帯刀してる刀を奪い首に当てる。

「ここで、自分で死ぬので」

沖田「………………………死ぬのが怖いんだろィ」

「……………………」

百五十錠目。→←ドSの八錠目。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す