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吉原桃源郷 ページ23

どこに向かうのかも分からない中、「間違っても真選組に鉢合わせしない場所に逃げたい」と言ったのは確かに私だ。

それは、そうなんだけど。


「・・・なんで吉原?」


地下で華やぐその場所。地上の法が通用しないというそこは、吉原桃源郷。
話には聞いたことがあったけれど、訪れるのはこれが初めてだ。


「真選組は地上の法で動く。ここなら安心だろ。まぁ売り飛ばそうってワケじゃねェから、そう不審がるな。」

「・・・別に売り飛ばす疑いはかけてないですけど」


そもそもそんなことをするような人だと思っているなら、あんな捨て身の作戦を立てたりしない。
我ながら、とんでもない賭けに出たものだとは思うが。


「わざと敵を怒らせるたァ、なかなかとんでもない性格してるなアンタ」

「おかげで助けてくれたじゃないですか。作戦ですよ。」

「敵を怒らせるのが作戦?」


SOSの基本じゃないか。
不審者に遭遇したときは、大声で助けを求める。
もっとも、あの男たちは攘夷浪士で、あの場で大声なんて出したら何をされるか分からない。

だったら。


「向こうに大声を出させれば良いって?」

「正解です。頭に血が上れば、大声も出るでしょうから。ジャンプに夢中なあなたが注目してくれるなら、なんだって良かったんですけどね。」


視界から入る情報を処理できるまでに回復したとき、男たちから死角になっている場所に人がいるのを確認できた。
その特徴的な身なりから、コンビニに来店した失礼男とすぐに気付いて。


「銀時の反応から見て、知り合いみたいだったので。どこのどなたかは存じませんが、銀時の知り合いなら高確率で強いでしょ?」

「よくまぁ、そんなハイリスクな賭けを。さすがにアイツが選ぶ女ってことか。」

「私がおかしいって言いたいんですか?」


私がどんな個性を持っていようと、間違いなく銀時の交友関係の中ではまともな部類だと思う。
だって目の前にいるこの人に限って言っても、こんな鬱陶しい前髪をしたヒーロー聞いたことないもの。


「それで?なんで鉢合わせしない場所?」

「こんな状態で鉢合わせしたら、事情聴取が始まるに決まってます。」


手首と足首には縛られていた痕が残り、腕には解毒薬の注射痕。
まさか真選組副長の目を誤魔化せるはずはない。


「それに、バイトだって無断欠勤なんですから」


先ほど知ることとなった、バイト開始時刻をとうに過ぎている事実。

どう転んだって今が良くない状況であることは明白なのだ。

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ξεグリムэЭ(プロフ) - えだまめンヌ。さん» ありがとうございます!ログイン情報を忘れて長らく更新できなかったアホなのですが(笑)引き続き頑張ります! (2020年9月2日 2時) (レス) id: 69bdc7b84c (このIDを非表示/違反報告)
えだまめンヌ。 - しっかり掴まれていて、リアル銀魂!って感じが凄いなと思いました笑ええぇ…未だに驚かされています笑銀さんの生き様だとか、そういうものも盛り込まれていて一気に引き込まれました。この作品大好きです!!応援しています!! (2020年6月18日 16時) (レス) id: 510c711c3f (このIDを非表示/違反報告)
えだまめンヌ。 - 昨日の夜この作品を見つけ、次の日が学校という事も構わず一気読みしてしまいました笑めっっちゃ面白い!!こんな事があったら、きっとキャラはこういう事を言うんだろうな、するんだろうなという部分を→ (2020年6月18日 15時) (レス) id: 510c711c3f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ξεグリムэЗ | 作成日時:2019年3月22日 6時

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