ヒロイン的スペック ページ18
「お前だよな、神様」
なんの前触れもなく、そんな問い掛けをされて。
神様ってなんのことだ、と一瞬頭にハテナが浮かぶも、すぐに理解した。
なんせ私自身が口にした言葉だったのだから。
「・・・まぁ、神様からのお許しが出たと思って食べれば?」
「・・・それ聞く?」
「スープだけの皿にいつの間にか具材が入ってたら不可解だろ。解決させろ。」
「解決って・・・。もう分かってるくせに。」
確かに銀時の器に変化を起こしたのは私だ。
でも神楽ちゃんも新八くんも気付かなかった出来事に、どうして。
「あの取り皿、見た目は全部一緒だけど底が違ェんだよ。」
「底?」
「1つだけ、底に軽いヒビが入ってる。危ねェから、いつもそれ使ってんのは俺なんだよ。でも食べ終わって片付けるとき、何故かヒビが無かった。・・・正確にはAが使ってた器に
「・・・さすがにそこまで気にしなかった。」
「神楽も新八もお前も、誰も具材なんて入れてねェって言ってたが、そりゃそうだ。気付かれねェように皿そのものを取り替えてたんだから。」
「・・・お見事。」
確かに私は最初、銀時にはスープだけを、私たち3人の器には具材も入れた。
しかしいちご牛乳のために銀時が席を立ったとき、私は自分と彼の器をこっそり入れ替えたのだ。
その後すぐ、神楽ちゃんと新八くんの器におかわりを盛るどさくさに紛れ、スープだけの器にも具材を取った。
私はその器からそのまま食べ始めた訳だから、目の前の2人にもバレることはない。
「照れ隠しがほとんどマジシャンの手口だろーが!どこまでバレたくねェんだよ!」
「だって私が最初に食べるなとか言っちゃったし、フォローしづらいじゃん」
「・・・照れ隠し、ってのは否定しないのな」
「いちご牛乳とスープの食べ合わせされるぐらいなら、って思っただけですー」
「・・・前から思ってたけど」
「何。内容によっては殴るからね。」
「お前ツンデレのデレ部分が分かりづらすぎねェ?」
「・・・・・・は?」
ツンデレ?誰が?私が?
そんなマンガヒロイン的スペックを装備した覚えは断じてない。
「・・・だったら私も言わせてもらうけど」
「なんだよ。内容によっちゃホテル連れ込むぞ。」
「事前宣告の中身がバカでしかない」
「うるせェな。で、何?」
「銀時も隠すの下手だよね。・・・ずっと前から。」
全部話してしまいたい、そんな不思議な気持ち。
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ξεグリムэЭ(プロフ) - えだまめンヌ。さん» ありがとうございます!ログイン情報を忘れて長らく更新できなかったアホなのですが(笑)引き続き頑張ります! (2020年9月2日 2時) (レス) id: 69bdc7b84c (このIDを非表示/違反報告)
えだまめンヌ。 - しっかり掴まれていて、リアル銀魂!って感じが凄いなと思いました笑ええぇ…未だに驚かされています笑銀さんの生き様だとか、そういうものも盛り込まれていて一気に引き込まれました。この作品大好きです!!応援しています!! (2020年6月18日 16時) (レス) id: 510c711c3f (このIDを非表示/違反報告)
えだまめンヌ。 - 昨日の夜この作品を見つけ、次の日が学校という事も構わず一気読みしてしまいました笑めっっちゃ面白い!!こんな事があったら、きっとキャラはこういう事を言うんだろうな、するんだろうなという部分を→ (2020年6月18日 15時) (レス) id: 510c711c3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ξεグリムэЗ | 作成日時:2019年3月22日 6時